研究課題/領域番号 |
21K13412
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
原口 健太郎 西南学院大学, 商学部, 准教授 (40846523)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 地方公会計 / 地方債金利 / 債券分析 / スプレッド / 地方債 / 信用リスク分析 / 統一的な基準 / 公会計財務諸表 / 機械学習 / 説明可能なAI / 公会計 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の地方公共団体は,総務省の通知に基づき,2017年度の決算から「統一的基準モデル」を用いて複式簿記・発生主義に基づく公会計財務諸表を作成・公表することになった。本研究では,地方債市場における金利情報と公会計情報との関連性を分析することで,公会計財務諸表が地方債市場とどのような関連性を有するか(あるいは有しないか)の検討を通じて,公会計導入の意義の一端を明確化する。
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研究実績の概要 |
わが国の地方公共団体は,その設立以来単式簿記・現金主義に基づく会計制度により運営されてきたが,総務省の通知に基づき,原則として2017年度の決算から「統一的基準モデル」を用いて複式簿記・発生主義に基づく公会計財務諸表を作成・公表することになった。 しかしながら,多大な労力を費やして作成した公会計財務諸表がどのような利害関係者に対して意思決定有用性を有するか,必ずしも合意は得られておらず,その検証が急務である。 多岐にわたる利害関係者候補の中で,検証の重要性がとりわけ高いのは地方債市場である。本研究は,上記準備研究を発展させ,地方債の対国債スプレッドと公会計情報との関連性を分析することで,地方債市場に対する意思決定有用性の有無を明らかにしようとするものである。 わが国の対国債スプレッドを公会計導入以前から存在する財政指標(既存指標)等により説明しようとする先行研究は複数存在するが(石田・中里,2019等),公会計情報と対国債スプレッドの関連性を分析した先行研究は存在しない。本研究の学術的独自性と創造性は,公会計財務諸表が有する意思決定有用性という極めて重要な問いに対して,対国債スプレッド分析を通じて解を得ようとする点にある。 研究の結果,日本において,公会計情報は地方債金利は有意な関連性を有することが明らかになった。地方公共団体に破産法が適用されない国において,会計情報と金利との関連性を明確に検出した研究の例はほとんどなく,これらの研究成果は,国際学会での報告に査読付予稿として採択されるなど,国際的にも広く興味関心の対象になるものと考えている。
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