研究課題/領域番号 |
21K13414
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
安高 真弓 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (20836605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ギャンブル等依存問題 / ギャンブル依存症 / 家族支援 / 脆弱性 / 生活課題 / カジノ / IR / ギャンブル等依存症 / ヴァルネラビリティ / ソーシャルワーク |
研究開始時の研究の概要 |
2018年に「ギャンブル等依存症対策基本法」が制定されたが、実態としては、関係のある用語や概念は未整備で、家族支援としては薬物依存の心理家族教育が援用され試行され始めたところである。 本研究では、まず、「ギャンブル依存」についての用語、概念整理を行い、次いで国内外の家族支援システムおよび実施状況について整理検討する。さらに、家族のニーズをギャンブル等依存問題のある人(当事者)のギャンブル等依存問題に至る脆弱性に着目し、個々の家族の状況やニーズを関係機関の事例分析および家族インタビューによって探求する。研究成果をもとに、ギャンブル等依存問題に特化した、わが国独自の家族支援モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①当事者の背景にある障がいや生活課題などの脆弱性をふまえた個々の家族のニーズの同定。②ギャンブル等依存問題独自の家族支援モデル構築、の二点である。 3年間の研究期間のうち一年目は、用語 概念整理/理論枠組みの検討のため、①解釈や立場によって名称や内容が異なるギャンブルに依存することを指す用語および概念の整理、②国内外で実施されている家族支援の取り組みおよび国内の家族支援状況の整理、把握、③他の依存問題の支援方法における理論的検討を通したギャンブル等依存問題支援における理論枠組みの検討に着手した。 日本では、カジノを含む統合型リゾート(IR)設立が正式に決定し、2016年12月以降、関係法が整備され、公営競技および遊技である「ぱちんこ※」(※風俗業等の規制及び業務の適正化等に関する法律における表記)を含む「ギャンブル等依存症」対策が本格的に開始されることとなった。しかし、海外のギャンブル依存研究のほとんどが入場制限のある日常空間から切り離されているカジノを対象としているのに対し、カジノ未開業の日本では、日常空間およびWeb上で 投票が行われる競技・遊技を対象としている。また、家族の関与、役割、家族観についても、カジノ先進国である北米と日本を含むアジア諸国では異なることから、ギャンブル等依存問題に対処する日本型支援体制の構築が必要である。本研究の1年目に行った用語 概念整理/理論枠組みの 討は、①ギャンブル等依存問題に特化した、②わが国独自の家族支援体制の創造に不可欠であり、海外とは事情の異なるわが国独自、ひいては日本と家族観を同じくするアジア諸国独自の家 族支援体制構築に寄与するものである。 1年目、2年目に続いて研究は遅れているが、研究全体の取り組みを1年延期し、1年目、2年目でまとめた用語・概念整理/理論枠組みの検討を整理し、発表・投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行により、図書館が閉鎖され利用が制限されたことに加え、申請者が2021年度末(年度途中)に関東地域から中国地域の大学へと所属が変わり、その準備、移動に際して感染症策のための(行き来のたびに)行動が制限されたこと、研究費の移管等がスムースに行われなかったことが研究遂行の妨げとなった。 また、2年目以降に行う予定であった事例分析等の調査実践地である沖縄県では、他地域よりコロナ禍被害が大きく県外からの調査ができなかったこと、研究協力者であるNPO法人代表者がDPAT(災害派遣精神医療チーム)沖縄本部長として多忙を極め研究協力が後退したこと、種々の事件等によりカジノを含む統合型リゾート事業を含むわが国のカジノに関連する取り組みそのものが停止状態となり、今後の見通しが立たなくなったことも研究の遅れにつながった。 先の理由に加え、所属する大学において、教員3名で行う国家資格養成課程の教育、実習指導等を本研究の2年目から1人で担当しており、業務過多、多忙によって研究に割く時間が全くない状況であることが、一番の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画をもう1年延期し、遅れている研究の完遂を目指す。 1年目に行う予定であった用語・概念整理/理論枠組みの検討について、早急にまとめ投稿を予定している。また、2年目以降に実施予定の研究計画について、具体的には、ぱちんこ依存問題の電話相談から家族の個別相談に至ったケースの過去8年間の事例分析について本格的に取り組む予定である。
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