研究課題/領域番号 |
21K13416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
三浦 倫平 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10756836)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 公共空間 / プレイスメイキング / 協働 |
研究開始時の研究の概要 |
より良い公共空間を創造する実践について、社会学的な観点からの歴史的な整理と実証的把握を行うことを目的とする。近年プレイスメイキング論に代表されるように、海外からの先進的な実践が注目、紹介されているが、日本の文脈でそうした実践が展開していく為には、これまでの類する実践が直面した課題や、現在そうした実践が抱える課題を明らかにする必要がある。本研究では、特に「協働」という課題に焦点を当てて分析を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、2015年度から現在まで官民協働でより良い公共空間を作り出そうと先駆的な活動を展開している東京都世田谷区下北沢地域を事例として分析を行い、近年、国内外で注目されてきている「プレイスメイキング」の可能性と課題について検討を行った。 「プレイスメイキング」は、市民が生活の質を高めることを目的に、公共空間のデザイン、管理、運営に関与することで、「居場所place」としての公共空間を作っていく方法であり、これまでも国内外で多くの事例研究が蓄積されてきた。しかし、その実践がどのような過程で成立し得るものなのか、またどのような課題に直面するのかということについては十分に議論されてこなかった。特に、既存の議論では、行政と民間、企業の協働だけでなく、民間団体間の連携が暗黙の前提とされてしまっているが、いかにしてそれが達成されるのか/されないのかという点が、プレイスメイキングという実践の成否を決定するのであり、その様相についての分析が求められている。 下北沢地域では、連続立体交差事業という都市計画事業を契機に、線路跡地という広大なオープンスペースが誕生することが決まり、市民がより良い空間利用に向けて話し合いや提案を行う団体として「北沢PR戦略会議(現在はシモキタリングまちづくり会議に改称)」が作られた。本研究では、これまでの団体の活動の過程を分析し、①専門家集団の協働の仲介②インフォーマルな関係性の形成③公共空間の戦略的な可視化によるネットワークの形成といった「組織の柔軟性」が重要な成果(リンクパーク、シモキタ園藝部など)を生み出してきているという点を導出した。 一方で、その課題として、①フォーマルな正統性/インフォーマルな正統性の調達の困難さ②エリアマネジメントとのズレといった点が存在していることが明らかとなった。
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