研究課題/領域番号 |
21K13433
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤田 典子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), その他(招聘研究員) (30898341)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 家族ペット / 共生社会 / 少子高齢化 / 社会変容 / 実践 / 非対称関係 / ケア / 主観的家族論 / 子育て / 文化 / ペット / 共生 / 日本 / 家族 / 非対称性 / COVID-19 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
超少子高齢化社会の日本で、ペット市場が拡大傾向にある。この現象にいち早く注目した社会学者田渕(1998)と山田(2004)は、現代社会においてペットが飼育者にとって家族の一員になっていると論じた。本研究は、このペットの家族化現象の中でも、ペットが「子どもの代わり」であるというレトリックを中心テーマに据え、社会学と文化・社会人類学双方の視角で、ペット飼育者およびペット関連業者、行政等に対して質的調査を行う。そして、人々の意識や行動における「ペット飼育」と「子どもを持つこと」の関連性、そして「家族の変容」の可能性についてジェンダー視点で考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、現代社会で存在感が増しているペットに関して「家族ペット」論の視点で調査研究することを目的とした。研究者は、先行研究レビューの過程で「ペット共生社会」論も視角に入れ、社会におけるペットの意味も探究した。前者での問いは「ペットは子どもの代わりか」であり、20~50代の犬飼育者19人に質的インタビュー調査とフィールドワークで構成する文化・社会人類学的調査を実施し、対象者の意識と実践における共通点「動物飼育」と多様性「グラデーション」を発見した。後者の研究における問いは「人とペットの共生とは」であり、ペット取扱者27人への質的インタビュー調査から「共生」レトリックの様々な課題点を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2020年以降、新たに飼育されるペット(犬・猫)の頭数が、新たに生まれる子どもの数を上回る現象が続いている。少子高齢化が加速する現代日本社会において、ペットの家族化が進展していることを示唆している。本研究は、「家族ペット」の家庭内での意味づけと、社会における意味について探究し、国内・外の学会大会にて報告し、これまでに1本の学術論文を公表した。質的調査から得られた結果は、アカデミックでは「家族の変容」に関する考察を通して家族社会学および社会人類学に貢献した。社会に向けては、ペット取扱者と非取扱者の間の非対称関係が顕在化したことにより、その境界に配慮した社会制度の整備の重要性について議論した。
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