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脆弱性を活かす新たな連帯パラダイムの検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K13436
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

樋口 麻里  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード脆弱性 / 社会的排除 / 精神障がい者 / フランス / 日本 / 国際比較 / 社会調査 / 社会学 / 社会意識 / 精神医療
研究開始時の研究の概要

日本をはじめ先進諸国では社会保障費が増大の一途をたどり、その破綻が危ぶまれている。このような時代において、様々な健康状態の人々がその人らしく生活できる社会をつくるには、労働が困難なほどの心身の脆弱性をもつ人々を、社会に必要な成員として積極的に位置づける連帯パラダイムが必要である。
本研究は、脆弱性をもつ人の具体例として、先進諸国で社会的排除に晒されている精神障がいをもつ人々を中心に取り上げる。そして、これらの人々に対する積極的な社会的受容を促す要因について、日本・フランス・フィンランドを主な調査地として、質問紙調査とインタビュー調査から明らかにする。

研究実績の概要

今年度の主な活動は次の3点である。
1)日仏Web調査の自由回答の分析結果を含む、これまでの一連の研究成果をまとめた書籍を刊行した。
より具体的には、精神障がいのある人の社会的排除をもたらす社会的要因を明らかにし、雇用政策に限定されない社会的包摂のあり方を、質的・量的調査にもとづいて提案した。そして、フランスと比較して日本では、精神障がいのある人が自身の生活のあり方を決める権利をもつ主体であるという認識が浸透していない可能性を提示した。
また当該書籍では、グラウンデッド・セオリー・アプローチによる質的データの分析や、質問紙調査の計量分析、質問紙調査における自由回答項目の計量テキスト分析と、多様な社会調査データと分析方法を採用した。そのため、当該書籍は社会調査法の実践例としても参照できるだろう。
2)2022年度に投稿した、精神障がいのある人を対象とした国内の質問紙調査の自由回答項目について、計量分析の結果を国際誌に掲載した。本研究は共同研究の成果であり、精神障がいのある人が望む精神科医に対する態度として、十分な診療時間を取ることや、病気や薬物療法についての詳細な説明をすること、家族の話にも耳を傾けることなどを明らかにした。
3)国内の質問紙調査データの分析を、ジェンダー研究の専門家と意見交換を行いながら進めた。精神障がいのある人に対する社会的距離や偏見について、ジェンダーによる経験や規範意識の違いがどのような影響を与えるのかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究成果を書籍と論文により発表できたが、国内の質問紙調査の分析については、まだ十分にまとめられていないため。

今後の研究の推進方策

国内の質問紙調査の分析を進め、学会報告と論文発表を行う。その分析結果をもとに、海外調査の方針と内容を国内の協力研究者と協議する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] How do patients and families evaluate attitude of psychiatrists in Japan?: quantitative content analysis of open-ended items of patient responses from a large-scale questionnaire survey2023

    • 著者名/発表者名
      Natsukari Ikuko、Higuchi Mari、Tsujimoto Tai
    • 雑誌名

      BMC Psychiatry

      巻: 23 号: 1 ページ: 253-266

    • DOI

      10.1186/s12888-023-04732-w

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 人々の脆弱性が社会にもたらすのは負担だけか : フランスの精神医療福祉従事者への質的調査を通した「ケアの互酬性」の再考2022

    • 著者名/発表者名
      樋口 麻里
    • 雑誌名

      北海道大学文学研究院紀要

      巻: 167 ページ: 31-74

    • DOI

      10.14943/bfhhs.167.l31

    • ISSN
      2434-9771
    • 年月日
      2022-07-19
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 何が精神障がい者に対する寛容な社会意識を高めるのか――国際比較研究からみる日本の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      樋口麻里
    • 雑誌名

      自殺予防と危機介入

      巻: 42 ページ: 3-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 精神科医の診察態度に対する当事者・家族の思いと性別による特徴 ――自由回答項目の計量テキスト分析から2021

    • 著者名/発表者名
      樋口麻里・夏苅郁子・辻本耐
    • 学会等名
      第47回日本保健医療社会学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 何が精神障がい者に対する寛容な社会意識を高めるのか―国際比較研究からみる日本の特徴2021

    • 著者名/発表者名
      樋口麻里
    • 学会等名
      第45回日本自殺予防学会総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 精神障がいのある人を排除する社会でよいのか――国際比較調査からみる人間の価値2024

    • 著者名/発表者名
      樋口麻里
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779517747
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『ウェルビーイングの社会学』p.109-p.126「第7章 社会のバロメーターとしての自殺現象--個人レベルと集団レベルから自殺を考える」2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井義秀、樋口麻里、猪瀬優理、川又俊則、遠山景広、カローラ・ホメリヒ、清水香基、翁 康健、佐藤千歳、工藤 遥、坂無 淳、中西尋子、道信良子、横山 穰、片桐資津子、金 昌震・伍 嘉誠、横山聖美・竹中 健
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      北海道大学出版会
    • ISBN
      9784832968875
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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