研究課題/領域番号 |
21K13439
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
麦山 亮太 学習院大学, 法学部, 准教授 (90895913)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 社会階層 / 社会移動 / 職業 / 労働市場 / 少子化 / 非正規雇用 / 教育格差 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代日本において職業が不平等の生成にとっていかなる意味を有しているのかを、社会階層研究の立場から実証的に明らかにする。具体的には、従来よりも詳細な職業区分に着目して、(1)賃金および仕事の質の不平等は職業の違いによってどの程度説明されるか、(2)労働市場において職業間の移動はどの程度生じ、またその違いは職業の特性といかに関連するのか、(3)職業は子どもの地位達成に対していかなる影響を及ぼすか、の3点を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代日本において職業が不平等の生成にとっていかなる意味を有しているのかを、社会階層研究の立場から実証的に明らかにすることにある。2023年度は以下について研究を進めた。 第1に、SSM、JGSS、ESSM、JLPSといった複数社会調査の合併データを構築して、出身階層による賃金の格差、そしてその賃金格差がいかなる到達階層においてより顕著であるのかを分析した。結果、到達階層が同一であっても、出身階層が高い者はより高い賃金を得ており、かつその関連はホワイトカラーにおいてのみ見られることを示した。本分析結果は数理社会学会大会にて報告し、現在原稿執筆中である。 第2に、職業間不平等のメカニズムを探求するため、2020年度に労働政策研究・研修機構より公開された「日本版O-NET」の職業情報を「全国就業実態パネル調査」とマッチングさせたデータを用いた論文を執筆した。具体的には、コロナ禍においてどの程度テレワーク利用の階級・学歴格差が拡大し、そのうちどの程度が職業特性によって説明できるかを検討した。本論文は査読結果を受け取って間もなく修正再投稿予定である。 第3に、本研究の応用的な事例として、出産前後の女性の就業における学歴格差が近年のコーホートにおいて拡大したことを明らかにした論文をResearch in Social Stratification and Mobility誌に掲載した。 そのほか、大学定員の地域間偏在の教育機会の不平等に対するインパクト、世代間移動が孤立感に与える効果、三世代からみた教育機会の不平等の趨勢、非正規雇用の増加が晩婚化・晩産化に与えたインパクト、少子化対策の未婚者の出生・結婚意欲に対する効果に関する研究等を進め、それぞれ国内外の学会大会にてその成果を報告した。いずれも論文を投稿中、または執筆中であり、数年内には複数の論文を公刊できると見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に示したとおり、2022年度に引き続き複数の論文を公刊したほか、新たな研究課題を生み出し、論文の執筆を進めている。他方で、複数の新たな研究課題に取り組む結果、論文の査読、あるいは棄却後の修正に予想以上に時間がかかっており、投稿や修正の遅れが生じている研究課題もある。以上、当初の計画以上の進展をみた部分がある一方で、計画以上の進展を得た箇所について、論文執筆が遅れている部分がある。これらをふまえれば、総じておおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は以下の3点の方針にもとづいて研究を進める。 第1に、現在投稿および修正再投稿の判定を受けている複数本の論文について、棄却されたものは速やかに修正して別の雑誌へと再投稿し、修正再投稿判定を受けているものについては遅滞なく修正を行い、公刊までの歩みを進める。 第2に、執筆途上の原稿を完成させ投稿段階へと進め、本年度前半に複数の論文投稿を行う。 第3に、本研究の過程で得た示唆にもとづいて新たな研究アイデアに関わるデータの構築、分析を進める。 以上の点を通して、これまで以上の研究成果の公表・公刊につなげることを今後の研究の推進方策として示す。
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