研究課題/領域番号 |
21K13446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2022) 東洋大学 (2021) |
研究代表者 |
伊藤 大将 東京都立大学, 国際センター, 准教授 (70758664)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 量的調査 / ウェブ調査 / クラウドソーシング / 国際比較 / クラウドソース / 代表性 / アンケートデータ / データの質 |
研究開始時の研究の概要 |
個別面接や留置回収を用いた社会調査は大きな課題に直面しており,Web調査やクラウドソーシング(CS)を用いたデータ収集が注目されているが,サンプルの代表性に問題がある.中高齢者を対象とした場合,割付を用いなかった場合,CSを通してデータを回収した場合に,それらのデータが社会学的な調査で使用できるかは十分にわかっていない。本研究では日本と米国でデータを回収し,それらのデータを確率抽出を用いたデータと比較してどれくらい似ているかをチェックする.Web調査やCSを社会調査で使用する方法が確立されれば,日米での国際比較を可能にし,社会調査はその方法を大きく広げることができる.
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研究実績の概要 |
研究2年度(2022年)は、電子化した調査票を用いて、日本と米国でWeb調査会社(業者)とクラウドソーシング(CS)を用いてデータを回収し、それらのデータを確率抽出を用いて回収したデータ(例えば、General Social Survey(GSS))と比較してどの程度偏りがあるのかを分析することだった。社会状況の急激な変化と職場の異動による規定の変化のため、本調査の実施には至らなかった。2022年は米国ではほぼコロナウイルスの影響がない生活に戻ったが、日本では引き続き強く影響が残っていた。新型コロナウイルスの予防行動に関する二国間比較の質問を入れていたが、日米で社会の状況が大きく異なるため削除することにした。加えて、年度当初に急速な円安が起こり改善の見込みが見られなかったため、アンケートの質問数とサンプル数を再考しなくてはならなくなった。また職場の異動により、倫理審査と業者への委託の規定が大きく変わったため、その対応に多大な時間を費やした。 CSのデータとWeb調査会社のデータは同時期に回収することが望ましいため、CSを用いた大規模データの回収も延期した。CSを用いたデータ回収は、アンケートの電子化や適当に質問に回答している回答者(satisficers)を省くなど、研究者自身が対応することが多い。研究責任者はCSを用いての米国でのデータ回収経験がなかったため、小規模の予備調査を実施し、アンケートの回収がスムーズに行くかを確認した。 質問項目の確定とデータの回収がうまく進まなかったため、本経費を用いて実施した調査を基にした学会報告や論文等は未発表である。日本社会学会の年次大会に参加して国際比較調査やWeb調査に関する知見を得た。関連科研では、米国でWeb調査会社を用いてデータ回収を行い、データの分析を行うとともに、本科研との比較分析を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
急激な円安のために質問項目数とサンプル数の再考が米国調査で必要になった。質問項目数とサンプル数を減らして米国全州から回収するか、米国のある特定の州を選び、質問項目数をできるだけ維持して回収するかの選択に迫られ、前者を選んだ。所属機関の異動に伴って倫理審査や業務委託の規定が大きく変わったことにより、予定していたデータ回収ができなかった。クラウドソーシングを用いたデータ回収の予備調査を米国で実施し、問題なく進めることができ、本調査の実施手順を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度中のデータ回収の実施が難しくなった段階で、2022年に行われたGeneral Social Survey(GSS)のデータの公開が近づいていたため(公開されたのは2023年5月17日)、GSS 2022の質問項目を入れて、大規模なデータ回収を行う予定である。倫理審査の通過、業者の選定まで時間を要するため、早くてもデータ回収の実施は2023年9月頃になる。それまでの時間を利用して研究者自身が質問紙を電子化することで予算を切り詰め、サンプル数を増やす予定である。データ回収が終わったら、分析を開始し、2024年度開催予定の学会に応募するとともに論文の執筆を行う。
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