研究課題/領域番号 |
21K13450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 社会構想大学院大学 |
研究代表者 |
橋本 純次 社会構想大学院大学, コミュニケーションデザイン研究科, 准教授 (90842857)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | リスク・コミュニケーション / マスメディア / 放送 / 災害報道 / ポリメディア / 新型コロナウイルス / 災害 / 信頼 / 情報社会 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、国内においてテレビ局が行う多様なチャネルによる情報発信を「ポリメディア(Polymedia)」の視点から位置づけたうえで、テレビ局の実情に応じた実現可能かつ持続可能な災害リスク・コミュニケーションのあり方を明らかにすることにある。本研究においては、主に文献調査・送り手調査(アンケートおよびインデプスインタビュー)・オーディエンス研究(1,000名規模のアンケートおよび20名程度へのインデプスインタビュー)を実施し、総体的な視点から研究目的の達成をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究が当初2023年度に遂行することを想定していたのは、「これまでに発生した不確実性の高い災害に関するリスク・コミュニケーションに取り組むうえで、テレビ局が直面してきた課題はいかなるものか」というテーマについての論文発表と、「テレビ局の規模に応じて災害リスク・コミュニケーションに関する課題や意識がどのように異なり、どのような参画の仕方が想定されるか」というテーマに係る学会発表である。前者については、新型コロナウイルスの感染拡大状況の長期化に伴い、2022年度に完遂した研究をさらにアップデートし、国際学会で発表するに至った。後者については前者の延長として特定地方テレビ局との議論を重ねるなかで、「各ステークホルダーができること/できないこと」を開示するなかで関係構築を図るリスク・コミュニケーションを行うにあたって、「経営に悪影響を生ぜしめるのではないか」との疑念を払拭することが困難であることが明らかになった。この点についてはさらに分析を進める予定である。 併せて、新型コロナウイルスの感染拡大状況の長期化に伴い実施を延期していた「テレビ局による情報発信総体がメディア利用者において現代社会のメディア環境のなかでどのように意味づけられているか」という問いを明らかにするためのオーディエンス研究について、900名を対象としたアンケート調査を実施し、結果の速報発表を実施した。これについてはさらに分析を深め、2024年度内の論文発表を予定している。 本研究の成果に基づき、2023年度には、論文発表1件(IAMCR LYON23)、国際学会発表1件(IAMCR LYON23)、2回の国内学会発表(社会情報学会(SSI)学会大会、社会情報学会 東北支部研究会)、2回の市民向けワークショップ(仙台市、いわき市)、学外での講演1件(京都大学医学部附属病院)を行った。併せて、1件のメディア取材を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、新型コロナウイルスの感染拡大状況の長期化に伴い生じた2021年度・2022年度の遅れを概ね取り戻すことができたもの考えられる。機を逸してしまったことから研究計画の段階で想定していたインデプスインタビュー調査の実現は困難になってしまったものの、アンケート調査は概ね予定通り実施し、さらに関心を共有する他の研究者と共同で、地域におけるリスク・コミュニケーションに関するワークショップの実現にも至っている。当初はこうしたアクション・リサーチの実施を予定していなかったが、リスク・コミュニケーションを社会実装するためには適切な方法であると考えられ、したがって本研究は当初の研究計画に比しておおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に取得したデータの分析、論文化に取り組み、その結果を基礎として再度テレビ局へのインタビュー調査を実施する。次年度は本研究の最終年度であることから、本研究全体で得られた成果や課題をまとめ、次の研究テーマに繋げていくための準備にも取りかかる予定である。
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