研究課題/領域番号 |
21K13467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
高山 亨太 日本社会事業大学, 付置研究所, 研究員 (00869919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ろう者学 / ソーシャルワーク教育 / ろう文化 / カリキュラム / ソーシャルワーク / 文化言語モデル / 障害学 / ろう文化ソーシャルワーク / ろう・難聴者 / 養成プログラム / ソーシャルワーカー / 実証研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、言語文化マイノリティとしてのろう者を対象としたソーシャルワーク実践に寄与するソーシャルワーク教育プログラムの開発を目指す。ろう者を、医学的観点ではなく、ろう文化を持つマイノリティであると捉えるなら、彼らを聞こえる社会に適用させようとすることに主眼を置いたソーシャルワーク実践は不利益をもたらすのである。本研究では、ろう者学(deaf studies)の研究知見を踏まえた上で、ソーシャルワーク教育におけるろう者に関する言説や概念を分析し、教育モジュールを開発する。調査結果を踏まえた上で作成した教育カリキュラムの実証介入を実施する。成果物については、ホームページにて公開する予定である。
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研究成果の概要 |
ろう・難聴者に関わるソーシャルワーカーがろう者学の知見を取り入れた上で、ソーシャルワーク実践を実することの重要性を明らかにした。具体的には、ろう文化ソーシャルワークを実践するためには、ソーシャルワーカー自身が無意識的に捉えているろうの意味を解体した上で、再認識することが必須条件であることを示した。その上で、オーディズム、ろう文化論、デフゲイン、ろうコミュニティ文化的資産といった各種理論を理解することが重要である。介入研修の結果、ろう者学の視点を理解するためには、事例検討が役立つこと、また手話のみでの進行が結果的にろう・難聴当事者ソーシャルワーカーにとっては重要であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国連障害者権利条約において、「障害者は文化的同一性の承認と支持を受ける権利を有する」とされているが、文化言語的少数者であるろう者がソーシャルワークを通して最大限の恩恵を受けられていないのが実情であった。我が国のソーシャルワークにはそのことはまだ十分に反映されておらず、医伝統的なソーシャルワーク実践では、ろう者が不利益を被るどころが、さらなる抑圧構造の中にろう者を引き込むことになることを示したことが本研究の社会的意義の一つとして考えられる。医学モデルに支配されたろう者に関する諸言説やスティグマに抵抗するための知識や経験の集合体化がろう者学であり、その養成カリキュラムの実証を実施した意義がある。
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