研究課題/領域番号 |
21K13479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
高木 雅之 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (90468299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フレイル / 通所型サービス / セルフマネジメント / 社会活動 / 作業療法 / 活動日記 / 記録 / 対話 / 活動記録 / 運動機能 / 社会参加 / 生きがい感 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者が生涯を通じて社会参加し続けることは、高齢者自身の健康と幸福を促進し、社会の持続的発展につながる重要な課題である。一次予防としての健康高齢者を対象とした社会参加の維持・増進を図るプログラムは数多く開発され、地域での応用が進んでいる。一方で、要支援者を含むフレイル高齢者を対象とした、社会参加を再び可能にし、ライフスタイルを再構築する二次予防の取り組みは十分に進んでいない。申請者は、これまでに健康高齢者のセルフマネジメント力を高める予防的集団プログラムを開発してきた。本研究では、これまでの知見を活かし、フレイル高齢者の社会参加を改善する集団セルフマネジメントプログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
開発した集団セルフマネジメントプログラムが地域在住虚弱高齢者の社会参加や健康、生きがい、作業遂行に与える効果を検証するために、非ランダム化比較試験を実施した。 対象者は介護予防・日常生活支援総合事業通所型サービスAの利用者36名であった。集団セルフマネジメントプログラム実施群(実験群)20名、通常サービス群(対照群)16名に分けた。対象者は全員女性で、両群ともに平均87歳だった。実験群には、日々の活動の記録と対話を中心とした週1回1時間半、計5回のプログラムを行った。成果測定はプログラム開始時、プログラム終了時、プログラム終了6ヶ月後に実施した。主要アウトカムは社会活動満足度(社会活動に関連する過ごし方満足度尺度)、副次アウトカムは主観的健康感(ビジュアルアナログスケール)、健康関連QOL(EQ-5D-5L)、運動機能(5回立ち上がりテスト)、生きがい感(高齢者向け生きがい感スケール)、大切な作業の遂行度と満足度(カナダ作業遂行測定)であった。 反復測定二元配置分散分析の結果、すべての尺度において交互作用は認められなかった。主観的健康感と健康関連QOLにおいて主効果を認めた。多重比較の結果、主観的健康感の開始時と6ヶ月後、健康関連QOLの開始時と終了時、終了時と6ヶ月後に有意差が認められた。本結果から、集団セルフマネジメントプログラムが通常サービスよりも効果的である点は示されなかった。 今回のプログラムでは、現在の活動を振返って記録し対話するのみで、他のプログラムで取り入れられているような過去の活動について振り返って話をしたり、今後の活動の目標や計画を立てたりはしなかった。これらの要素を取り入れることで、プログラムの効果が表れるかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発した集団セルフマネジメントプログラムの効果検証を行えたが、プログラムの効果を示すことはできなかった。今回の結果を踏まえ、プログラム内容や成果指標を見直す必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
プログラム内容や実施期間・頻度、実施者の教育を見直し、効果が得られるプログラムに改良する。改良したプログラムをパイロット的に実施し、実施可能性や効果を探索する。
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