研究課題
若手研究
近年,特養は,生活の場に加え,看取りの場としてケアを強化している.しかし施設生活を避けられない入居者が,看取りの場にどのようなケアを求めているのか,理論的根拠が明確ではない.これまで特養で最期を迎えた入居者ケア,すなわちEOLケア影響要因を抽出し,介護職員がEOLケアの主軸を担える可能性がある知見を得た.本研究では,特養介護職員が,最期を迎えた入居者へのEOLケア実践に着目し,帰納的に分析する研究を立案し,特養におけるEOLケア理論生成をめざす.
本研究は、特養介護職員が最期を迎えた入居者へのEOLケア実践に着目し、全国に所在する特養介護職員を対象にアンケート調査を実施し、統計解析からEOLケア実践の因果関係について明らかにした。今回はアンケート調査回答から、自由記述に記された内容を、質的に分析することで、特養におけるEOLケア理論生成を目的にしている。これまで特養介護職員が、要介護度ⅣとⅤにある入居者に実施したEOLケアに焦点化し、統計解析により信頼性が高く、妥当性が示されたことで、EOLケア尺度の有用性を明らかにした。2023年度は、(1)研究成果として学術誌への投稿、(2)EOLケアにかかわった特養介護職員及び入居者家族へのインタビューによるEOLケア実際把握、(3)EOLケア理論生成の基礎づくり、3つの課題を設定した。(1)学術誌への投稿は、3つの学術雑誌に投稿を予定している。そのうち1つは、査読者との回答を繰り返している。他の2つは、データ分析を終え、執筆の最終段階にあるため実際には、翌年度にあたる2024年度に投稿後、掲載されることになる。(2)特定した施設の特養介護職員にインタビューし、複数の介護職員らのケア行動、思考や感情、他職種連携に焦点化し、分析している途中である。翌年度にあたる2024年度に学術誌に投稿予定である。またこれらインタビューから抽出したヶケア行動、思考や感情、他職種連携を骨子として、帰特養介護職員EOLケア行動をパターン化するとともに、本研究調査の土台となる全国の特養介護職員から、インタビュー調査対象を厳選する。なお投稿予定には、(1)の執筆論文にあたり、既にデータ分析を終えている。これらの過程は、帰納的に探究作業を進める。(3)上記、特に(2)を推し進めることで、特養で最期を迎えたEOLケア理論の基礎づくりに繋げる。
3: やや遅れている
本研究は、エフォートを20%に設定している。2023年5月にCOVID-19が関連法による第5類相当に引き下げられたが、様々な場所、人、体制などへ影響を残したままである。研究課題に関連した打ち合わせは、オンラインであることは効率化に繋がる。しかし特養介護職員へのインタビューは、施設内の感染症対策を最優先せざるを得ない。そのため制約のもと、人選、日時や場所等、細心の注意を払いインタビューを実施することが容易ではなかった。
本研究は、エフォートを20%に設定している。2023年5月にCOVID-19が関連法による第5類相当に引き下げられたが、特養介護書行員をはじめとする様々な場所、人、体制などへ影響を残したままである。研究課題に関連した打ち合わせは、オンラインであることは効率化に繋がる。しかし特養介護職員へのインタビューは、施設内の感染症対策を最優先せざるを得ない。そのため制約のもと、インタビュー対象者の人選、日時や場所等、細心の注意を払いインタビュー調査を実施することが容易ではなかった。そのような制約を最小限に保ちながら、エフォート20%を引き続き確保し、最終年度を迎えた課題を克服する。
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