研究課題/領域番号 |
21K13483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
稲垣 綾子 帝京大学, 文学部, 講師 (70823178)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アタッチメントベースドプログラム / アタッチメントニーズ / 夫婦両親 / 青年期 / 家族療法 / 神経発達症 / 不登校 / 養育システム / マルトリートメント / アタッチメント / 両親 / 家族支援 / 心理教育 / 両親システム |
研究開始時の研究の概要 |
神経発達症をもつ子どもへのマルトリートメントが生じやすい背景に,類似した特性をもつ家族性や受容の問題がある。親子間の自他境界は曖昧になり,行動と感情を切り分ける作業は困難となるため,個別に発達特性の理解を深める心理教育と家族機能を高めるプログラムを両親を対象に実施してきた。これはアタッチメントの観点から子の行動を捉え,両親それぞれの子に対する感情,養育に関するビリーフ,その経緯や文脈を話し合い,子との相互影響関係を両親システムにて検討していく家族療法をベースにしたプログラムである。本研究では,両親のもつ感情・ビリーフ・文脈を質的に明らかにするとともに,プロトコルを作成,実施し,効果検証を行う。
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研究成果の概要 |
青年期の子どもをもつ両親を対象にした,アタッチメントベースドプログラムの介入研究として,単一夫婦事例を通したプロトコル開発研究,3組の複数夫婦事例を通したセラピストマニュアル開発研究を実施した。事前事後調査の結果,すべての事例で神経発達症や不登校の課題を抱える子どもの対応に苦慮する両親が,青年期の発達課題に対し,親としてどのように後方支援をしていくとよいか,という視点をアタッチメントの観点から考える機会を得ていた。また,子どもに対する視点転換と対応の方向性を見直していく様子がみられ,最後のセッションでは具体的な子育ての取り決めを策定することができ,両親夫婦のパートナーシップの高まりがみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セッション中の会話・シークエンス分析の結果からは,夫婦のアタッチメントニーズを検討する際には,それぞれのニーズの発信スタイルを共有し,チームとしてどのように解決していくとよいのかといったパートナーシップを高めていく方略を含めることが重要である(Inagaki, 2023; 稲垣,2023)。これは構造化された短期セラピーセッション,そして,トラウマに配慮したアプローチという観点からも有用である。夫婦が家族全体のアタッチメントニーズを考え,親・夫婦として共有していく具体的な取り決めとしての「子育て協定」に結実していく可能性などが示唆され,両親夫婦システムの介入の視点を提起した。
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