研究課題/領域番号 |
21K13486
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
中尾 竜二 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (80805052)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 民生委員 / 情緒的サポート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はまず、民生委員・児童委員が活動を継続していくためのソーシャルサポートに着目し、民生委員を取り巻くネットワークより①民生委員・児童委員以外の役割を付与されている地域住民、②民生委員・児童委員の活動を以前行っていた経験のある地域住民、③専門職のソーシャルサポート実態を把握し、ネットワークの構造・特性を明らかにする。 次に、民生委員に対する情緒的サポートの関連要因(項目)を明らかにすることを目的とする。民生委員に対する地域住民や専門職による情緒的なサポートの構造を明らかにする。その結果より民生委員の継続意向を高めることが可能となる方法論を提示することである。
|
研究実績の概要 |
令和5年度(2023年度)の研究実績としては、民生委員の活動継続意向や民生委員の課題、民生委員の実態に関する先行研究のレビューを行った。レビューにおける結果として、民生委員の活動継続意向に関連するものとしては、民生委員は日々の活動を行う上で起こる【情緒的サポート】と【活動上の課題】、【民生委員活動の継続意向】、【自己肯定感】、【一貫性など性格特性】に関し把握することができ、これらを調査票作成に生かすことができる実績を得た。また民生委員との関係構築のため民生委員を対象とする研修への参加し、また令和5年8月22日(火)に玉野市民生委員会、2月5日(月)に福山市民生委員会で講師を行い、民生委員との関係構築、民生委員活動の状況把握を実施した。その結果として民生委員のやりがい等は、金銭的報酬や物的報酬ではなく、地域住民から承認されること、専門職と協力し支援が達成されることなど情緒的なサポートの有無が関連するとの実態を聞き取ることができた。 これらの実績より、民生委員の【活動継続意向】に関し【情緒的サポート】が関連するという仮説を立て調査実施の準備を行った。具体的には、10月から調査対象である岡山県民生委員協議会へ調査協力の説明を行い、A県民生委員会長、事務局からの協力承諾を得ることができた。また、1月、2月で調査票の作成を行った。先行研究などから、専門職の職務継続意向などの尺度を活用し調査票を作成し、令和6年度5月の倫理審査に提出予定である。 調査は倫理審査の許可が下り次第実施できるよう準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5度(2023年度)は、民生委員を対象とした活動継続意向と情緒的サポートの関係について、先行研究、参考文献の精査・レビューや学会等に参加し情報の収集を行うことを計画し実施した。また、民生委員活動の実態と活動継続についての聞き取りを実施した。結果は民生委員のやりがい等は、金銭的報酬や物的報酬ではなく、地域住民から承認されること、専門職と協力し支援が達成されることなど情緒的なサポートの有無が関連するとの実態を聞き取ることができた。 そのことにより研究の枠組みと調査項目の確定ができ、調査票作成に至ったためおおむね計画通り進展していると判断した。 また、調査に関しては、調査対象先である、民生委員が高齢であることから調査に対する説明、実施に消極的であったため、調査説明ができていなかったが、コロナも5類となり岡山県民生委員の会長、事務局との調整を行い、令和6年度に全県で3,617人の民生委員全数調査を実施する調整ができ、調査隊調査に対する配慮した上での調査と考え、おおむね計画通り実施できたといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題の今後の推進方策としては、民生委員の活動の継続意向と情緒的サポートについて 岡山県民生委員(全数調査)を対象に量的質問紙調査を実施する予定である。対象者は、岡山県民生委員を対象とする(3,167名)岡山市は政令指定都市で削除。調査票は「民生委員活動の継続意向」と「情緒的サポート」、「自己肯定感」、「やりがい」、「一貫性など性格特性」、「基本属性」、そのほか関連要因で構成する。 調査のスケジュールは、5月に倫理審査提出し、倫理審査の許可が出次第、調査票配布を配布し、9月・10月に回収予定である。配布は岡山県民生委員・児童委員会事務局の協力を得て、市町村民生委員・児童委員会事務局が配布していただく予定である。回収も同様に市町村民生委員・児童委員会事務局へ集め、その後、研究主任に郵送いただく。その後、得られたデータを統計分析し、2月に調査報告書を作成予定とする。論文執筆、学会発表は令和7年度になる予定である。 また、時期は未定であるが調査協力をいただいた岡山県民生委員会、市町村民生委員会においては報告も兼ねて民生委員を対象とした研修を実施予定である。
|