研究課題/領域番号 |
21K13493
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
伊澤 千尋 東京工科大学, 応用生物学部, 助教 (10757769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 金属含有シリカ / メソポーラスシリカ / 紫外線ケア化粧品 / 紫外線防御剤 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄含有メソポーラスシリカは無色透明で紫外線のみを吸収することから、肌へ塗布した際の見た目が自然で、アレルギーや環境負荷の心配がない紫外線防御剤として化粧品への応用が期待されている。 本研究では、様々な形態のシリカに適応可能な金属イオンの後処理ドープ法を用いて、無色透明で紫外線吸収能の高い鉄含有メソポーラスシリカの作製を目指す。処理条件や導入するイオンの種類をかえることで紫外線吸収能を制御し、化粧品への応用に適合させる。
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研究実績の概要 |
多孔質シリカを硝酸鉄水溶液で処理することで、シリカ骨格への鉄イオンの導入を試みた。鉄イオン濃度や反応温度、反応pHが処理後の粉体の拡散反射スペクトルに与える影響を検討した。 硝酸鉄水溶液に浸漬させたシリカ粉体は、紫外光吸収を示したことから、シリカ骨格内に鉄イオンを導入できたと判断した。また、処理前後の溶液中の鉄イオン濃度の変化から、シリカ粉体への鉄導入量を算出したところ、紫外可視吸光度と鉄導入量に相関があることを確認できた。 処理溶液の鉄イオン濃度が高い場合や、反応温度が高い場合、可視光吸収の増大が見られたことから、酸化鉄が副生し、シリカ粉体の表面に多く吸着すると考えられた。 弱酸性から塩基性で処理した場合、粉体は高い紫外光吸収を示した。塩基性では酸化鉄の副生が進むと予想されたが、洗浄過程で除去され、可視光吸収が小さく、無色で高い紫外光吸収を示す粉体を得られた。化粧品に配合した際に、製品の色に影響を与えず、紫外光吸収能のみを付与できると期待できる。 多孔質シリカを合成する段階で鉄源を添加する、一段階で合成した鉄含有シリカと比較して、後処理して鉄イオンを導入した粉体は、同程度の紫外光吸収の高さを示したうえで、可視光吸収が小さく無着色であった。後処理法では、酸化鉄の副生や吸着を抑え、シリカ骨格のみに効率よく鉄イオンを導入でき、無色で高い紫外光吸収能を示す粉体を作製できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多孔質シリカを硝酸鉄水溶液で処理することで鉄イオンの導入に成功している。既存の一段階で作製した鉄ドープシリカと比較して、無色で紫外光吸収が高い粉体を得られ、今度の検討で更なる紫外光吸収特性の向上が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
処理条件の検討が概ね済んだので、シリカ粉体の特性が処理後の吸光スペクトルに与える影響を検討していく。
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