研究課題/領域番号 |
21K13505
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
内藤 宙大 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 助手 (80877043)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | カゼイン / カゼインホスホペプチド / 牛乳アレルギー / リン酸基 / IgE結合能 / 抗体結合能 / 脱リン酸化 / アレルゲン性 |
研究開始時の研究の概要 |
カゼインの分解産物であるカゼインホスホペプチド(CPP)により、アレルギー症状が誘発される症例がある。しかし、これまでのIgE結合部位(エピトープ)解析ではCPPのアミノ酸配列にエピトープはほとんど見出されていない。この原因として、CPPはリン酸化されたセリン残基を多く含むが、これまでのエピトープ解析はリン酸化されていないセリン残基を用いた合成ペプチドで行われていたためだと考えられ、実際に存在するエピトープが見落とされていた可能性がある。そこで本研究では、CPPに対するIgE結合能におけるリン酸基の影響を明らかにすることを目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究では、αs1-カゼイン(CN)のIgE結合能に及ぼすリン酸基の影響について明らかにすることを目的とした。 IgE結合能は、精製αs1-CN及びカゼインホスホペプチド(CPP)を脱リン酸化処理した試料と合成ペプチドを阻害抗原に用いた阻害ELISAにより解析した。αs1-CN及びCPPのIgE結合能は脱リン酸化処理によって低下した。また、CPPの基本骨格である合成ペプチドを、リン酸基の有るものと無いものを用い解析した結果、リン酸基を含む合成ペプチドの方が強いIgE結合能を示した。このことから、αs1-CN及びCPPのIgEの結合には、セリン残基のリン酸基が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、牛乳の主要アレルゲンであるαs1-カゼイン(CN)及びその分解産物(CPP)のIgE結合能にはセリン残基のリン酸基が重要であり、脱リン酸化されるとIgE結合能が低下することが明らかとなった。これにより、脱リン酸化された合成ペプチドを使用されてきたこれまでのIgEエピトープ解析を見直す必要がある。さらに、牛乳及び乳加工食品中のカゼインを何らかの方法で脱リン酸化することで低アレルゲン化する可能性が考えられる。これにより、牛乳アレルギー患者にとって食の幅が広がることが期待される。
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