研究課題/領域番号 |
21K13524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2023) 広島大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
宮本 勇一 岡山大学, 教育学域, 講師 (00897134)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教育改革 / フンボルト / 陶冶理論 / プロイセン教育改革 / 教師論 |
研究開始時の研究の概要 |
「今日の教育はいかにあるべきか」という実践的な問いは、国際的なものから民間に至るまで産官民学の様々なカテゴリのアクターによって勢いを増して問われ続けてきた。しかし過剰な改革論議がもたらした「改革疲れ」の色は濃く、今や「改革をどうやめるか」という現代教育改革のあり方の問い直しにまで至っている。「教育を改革するとはそもそもどういうことであるか」という、教育改革そのものの論理と構造にまなざしを向ける理論的省察が今求められているのではないだろうか。本研究は今日の「教育改革」の問い直しを目指してプロイセン教育改革期に着目し、別様な改革の構図を描き出すことを目的としている。
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研究成果の概要 |
教育改革のメカニズムの解明を教育学の今日的課題と捉え、歴史的画期としてのプロイセン教育改革における改革論争点を検討し、改革のダイナミズムに関する研究を行った。改革は常に新しいものへと駆られていく通時的展開の構造をもつが、プロイセン教育改革において顕著であったのは、学校教育改革案が同時的に水平に多様に生成される共時的展開の構造であった。そのような共時的展開から示唆されるのは、改革における矢継ぎ早の改善サイクルの加速ではなく、個々の改革案の持続性とその固有性である。教育改革の思考様式ともなっている良い悪いの二元コードとは別様の改革の思考様式を古典的な教育改革から導いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義としては、第一にフンボルトやヘルバルト、シュライアマハーなど、古典的教育学者・哲学者たちが活躍した教育改革の諸プロジェクトを検討した点にある。未刊行史料も駆使した歴史的意義が挙げられる。 学校教育の授業モデルがヘルバルト・ヘルバルト派によって席巻されたという理解に対して、学校教育の役割と使命をどのように理解するかに関する異なる立場があることを示し、改革諸案の多様な展開過程を明らかにした。また、改革の諸アクターがさまざまに入れ交う相互浸透的な改革のメカニズムを明らかにすることで、悪い→良いという二元コード化される改革モデルとは別様の改革の駆動メカニズムを浮かび上がらせた。
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