研究課題/領域番号 |
21K13526
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 秋田大学 (2022-2023) 早稲田大学 (2021) |
研究代表者 |
山口 香苗 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (80843896)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 地域学校協働活動 / 地域 / 学校 / 公民館 / 生涯学習施設 / コミュニティ・センター / 台湾 / 東アジア / 学校と地域の連携 / コミュニティ / 学校と地域 |
研究開始時の研究の概要 |
台湾では民主化後の1990年代以降、大規模な教育改革を進め、学校と地域(社区)の連携を強化してきた。 学校教育では、戒厳令期から続いた知識詰め込み型カリキュラムの改革と、教育内容の「本土化」を目指した地域学習を進めてきた。また社会教育では、成人の生涯学習を進めるべく、学校を拠点に成人学習の場や高齢者学習の場を設けてきた。いわば、学校が地域の中心的な学習施設としての役割を担うようになっている。 本研究は、台湾を例に、学校と地域の連携実態と特徴、および教育・学習を通じた地域形成のあり方を考察することで、日本における学校と地域の連携、学校を核とした地域形成のあり方に示唆を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、台湾における学校と地域の連携の実態を明らかにすることを目的としており、日本における学校と地域の連携との比較研究を行う素地を作ることを目指すものである。 今年度は、台湾および日本における学校と地域の連携の実態調査を行った。台湾では、学校と生涯学習機関である社区大学(コミュニティ・カレッジ)の連携実態、大学と地域の連携実態、学校と高齢者学習センターとの連携実態についての調査を行った。学校教育において地域活動の推進が行われていることから、社区大学の講師や学習者との協力体制が構築されるようになっているが、地域を知ることが目的でありながらも、それが子どもたちの上級学校への進学の際の評価にもかかわることから、地域活動が学校教育現場において重視されるようになっていることが明らかとなった。大学との地域連携、学校における高齢者学習センターの開設等も、地域にかかわる学習活動を行うことが、教育機関の使命となっているという事情が明らかとなった。その背景として、人口減少、知識の詰め込みによる子どもたちの疲弊といった、社会問題、教育問題の深刻化がある。 日本では、秋田県を中心に地域学校協働活動推進のための取り組みに注目し調査を行った。地域学校協働活動を進める際に、公民館やコミュニティーセンター(旧公民館)に拠点を置くなどすることで、学校教育と社会教育の連携を密にする試みがある。社会教育が学校との連携を強めていくことでその重要性が再認識されていくという事例が見られた。これらから、地域を活用した学校教育改革から、地域の持続や活性化を目的とした学校の活用という転換が始まっていることが明らかとなった。 台湾と日本の事例から、大きな社会変化のもとで地域の可能性に教育政策が目を向けていることが明らかとなってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本と台湾の双方の調査に入ったことで、それぞれの学校と地域の連携の実態、連携を進める社会的背景の共通点や違いを明らかにすることができたため。また、最終年度に向けて明らかにすべき課題も析出することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、日本の地域学校協働活動の実態について明らかにする。その際、地域性や公民館とコミュニティセンターといった施設の違いが、如何に学校と地域の連携のあり方の特徴として現れるのかに注目する。また、台湾における調査では、1990年代における教育改革時と、人口減少が急速に進んだ現在の学校と地域の連携の議論との関連性について明らかにしていく予定である。
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