研究課題/領域番号 |
21K13537
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
崔 善境 広島大学, グローバルキャリアデザインセンター, 助教 (70845619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ディセント・ワーク / 労働成果 / 後期中等職 業教育 / インド ネシア / 認知的・社会情動的スキル / インド ネシア・ベトナム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、開発途上国、その中でも著しい経済成長を達成しているインドネシア・ベトナ ムにおける認知的・社会情動的スキルが自営農業労働者の労働成果に与える影響を明らかにする実証研究である。これまで労働市場の成果に関わるスキルは、高い成績や学歴などの認知的スキルが焦点を当てられていた。本研究では、経済的に恵まれてない階層を対象とし、当該階層の人々が労働市場に参入する前段階に選択する教育経路(後期中等職業教育)を認知的・社会情動的スキルの両面から検討したうえで、自営農業労働者に必要とされる最も重要な認知的・社会情動的スキルを浮き彫りにする。
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研究実績の概要 |
研究2年目となる本年度は、昨年より引継ぎ関連資料の収集、前年度の拡張分析でインドネシアにおける中等職業教育が労働成果に与える影響を質の面で分析を行った。職業に関する質の面で使われた変数は、2000年、ILO(International Labor Organization)から個人レベルはもちろん社会レベルまで工夫され、定義している指標の中から先進国にはすでに達成しているが未だに途上国では達していない基本的な指数を選んで実証分析を行った。その変数として使われているのは、五つの変数で、①業務に相応しい賃金を得ているのか、②現在の職が安定しているフォーマルセクターであるのか、③職場では定期的な訓練を提供しているのか、④健康保険を支援しているのか、⑤退職後年金はかくほされるのか、を男女別、地域別で比較を行った。主な結果は、インドネシアにおける中等職業教育は、賃金はもちろん、安定的な雇用、訓練、健康保険、年金などを確保できるディセント・ワークに貢献していた。しかし、その傾向は女性より男性の方に最も強く現れていた。なお、都市と農村部の地域比較分析では、都市の方がその傾向が強くなっていた。この研究結果を課題①:Upper secondary vocational education and decent work in Indonesia: A gender comparisonとして国際学術誌「International Journal of Education Development」に提出し、論文改訂お行い二回目の査読中である。さらに、この研究成果を2022年12月「国際開発学会」での発表を実施した。なお、研究課題②:Secondary vocational education and decent work in Indonesia: differences between urban and rural areasは、国際学術誌「International Journal of Vocational and Training」に提出し、レフリーからの論文改訂を進めている。研究課題②の内容に関しても国際学会「Comparative International Education Society」で発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではインドネシアでは高い割合でインフォーマルワーカーが存在(50%以上)する労働市場の構成、労働者の最終学歴などを把握しながら、インフォーマルワーカーに実践的に必要な教育は何かについて中等職業教育の成果を多角度で実証分析を実施している。研究分析や論文執筆は研究協力者とともにオンラインや対面会議を頻繁に行いながら研究課題遂行の体制を取る。これまでの研究成果を国際学会で積極的に発表しており、国際学術誌での投稿を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、非認知能力と労働市場成果に終点をあてて教育を含め、非認知能力がインフォーマルやフォーマルワーカーとのように影響を与えているのかを検証する。本年度と同様に研究協力者と活発な研究成果を行う体制を維持しながら積極的に国内外の学会で研究発表を実施し、そこから得たコメントを補充して国内外の学術雑誌への論文投稿に試みる。
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