研究課題/領域番号 |
21K13553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 山口学芸大学 |
研究代表者 |
舩場 大資 山口学芸大学, 教育学部, 准教授 (10851024)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 幼児体育 / 足指筋力 / 継続可能な運動改善 / 平衡感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
近年幼児の足の発育不全が課題となっている。いわゆる運動不足の問題は現代社会における社会変化(遊び場の減少や社会の便利化、スマートフォンの普及等)の中で急速に拡大しており、それが幼児の世界にまで波及している。そこで、本研究では、幼児の重要な活動の場である幼児教育施設にて、上述の課題を解決するための遊び場や運動遊びのプログラムを開発し、それを現場に普及させることで幼児の健全な発育の一助となることを目的としてた研究である。また、それが幼児教育機関の過度な負担にならない持続可能なプログラムを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究は幼児期の子どもを対象としており、足指筋力(足の握力)の向上及び重心動揺(ふらつき)の減少を目指している。とりわけ、幼児教育施設(以降園と略す)が、専門家の介入を終えたその後も負担なく継続可能な教育プログラムを構築することを目的としている。 近年、高齢期の運動機能における課題とされるロコモティブシンドロームが、子どもにみられるとされ、子どもロコモという言葉が登場したように幼児期から身体機能の不具合が報告されている。幼児転倒増加もその課題の一つであり、足指筋力の発育不足や重心動揺の増大、さらに足の指が地面に接地しない浮き趾や偏平足といった足の成長過程における形成に関する問題がある。 こうした課題の解決のために運動療法などでの改善方法があるが、園の独力だけでは、専門的な運動指導を展開及び継続していくことは難しいことが聞き取り調査より分かった。その理由として、近年の業務の多忙化と多様化、人手不足はもとより、運動指導を専門とする保育者の少なさや、測定(測定器具や園庭面積、立地の課題)がなかなか出来ずに幼児の運動能力の成長や課題を発見することの難しさがある。さらに言えば、急速な多忙化により専門的な運動指導を新たに園に取り入れることも現状簡単ではない。 そこで、本年度は、幼児の足指筋力と重心動揺の調査を実施し、かつ運動介入をしない教材による前述の体力の向上を試みた。また、園から聞き取り調査を行い、園独自で負担なく実践できる内容であったかを回答してもらった。 研究成果として、教材の導入によって幼児の足指筋力の向上や、園の負担も少なく園だけで継続してできるという回答を貰っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は幼児教育施設にて実施する研究である。最も重要なことは幼児の安全の担保である。そうした中、2020年よりコロナウイルスの感染拡大により、2020年は全く園に立ち入ることができなかった。次に2021年は、一部緩和されたが、どうしても感染状況によっては立ち入りが難しくなる時期が定期的にあったため(対象地域は、2021年度に人口当たりにおいて全国で上位になるほどの感染状況に陥ることもあった)、設定期間で全体の体力調査ができないことが幾度も発生した。その後2022年5月に第5類に移行したことで、本年より十分な調査が可能になったが、約2年半の遅れはこの1年では取り戻すことはできなかったため「やや遅れている」と評価した。ただし、2022年5月より順調に調査が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度の研究を基盤にしながら、幼児の体力調査と新たな教材や遊び場などを導入することで、園が継続可能な方法で幼児の体力を向上する方法論を構築していく。 新たな教材については、計画段階では想定していなかったが、コロナウイルスの拡大によって、ICT環境が園に充実し、様々な機材が導入された。また近年のICTを活用した教育の拡大により保育者もICTの活用に興味関心が高まり、幼児教育の中でも急速に展開している。 この環境をいかしたいと考え、園と協議の中でも話題になったICTを活用した運動遊びを検証に加えたい。
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