研究実績の概要 |
子どものICT使用と子どもの認知、非認知、生理的要因、社会環境との関連を検討するために、5,6歳から小学校1年生とその養育者40組を対象に、行動実験と質問紙調査を実施した。縦断的分析のため、今年度同一の対象者に質問紙調査を実施予定である。 5,6歳、小学校1,2年生とその養育者計300組を対象にWeb調査を実施し、子どものICTの使用状況、使用に関する養育者の懸念と期待、養育スタイル、子どもの社会性について検討した。スマートフォンの使用状況は、性別、年齢との関連が見られ、5,6歳の男児の使用は期待度数よりも多く、ゲーム機の使用と使用時間は、男女とも小学校1,2年生は多くなった。子どものICT使用への養育者の懸念は、5,6歳では子どもの問題行動が多いほど睡眠時間減少や自己コントロールへの懸念が高いことが示された。小学校1,2年生では、問題行動が多いほど睡眠時間減少や実体験不足への懸念が高いこと、子どもの自己制御が低いほど、視力悪化や姿勢悪化への懸念が高いことが示された。子どものICT使用への養育者の期待では、5,6歳は子どもの社会性との関連は見られなかったが、小学校1,2年生では、子どもの社会的コンピテンスが高いほど、知的好奇心、思考力発想力の発達に期待がある、子どもの自己主張や責任感が高いほど知的好奇心、思考力発想力、基礎学力の発達に期待があることが示された。子どものICT使用への養育者の懸念・期待と養育スタイルとの関連は、5,6歳では関連は示されなかったが、小学校1,2年生では、受容的しつけが多いほど子どもの知的好奇心の発達に期待が見られた。子どもの年齢、社会性の発達、養育スタイルの違いにより、子どものICT使用への養育者の懸念や期待が異なる可能性が示唆された。 子どもの社会性の発達と生理的要因との関連について、先行研究のレビューと以前収集したデータを分析し、課題を整理した。
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