研究課題/領域番号 |
21K13555
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
新杉 知沙 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部, 協力研究員 (30794185)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幼児 / 妊娠前の母親の体格 / 貧血 / 妊娠中の父親及び同居者の喫煙 / 出生順位 / 在胎期間別出生体重 / 完全母乳 / 乳幼児身体発育調査 / 子ども / 栄養不良 / 発育阻害 / 消耗症 / 過体重 / 身体発育状況 / 日本 / 低中所得国 / 栄養改善 / 成育環境 / 社会医学 / 疫学調査 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもの栄養不良は深刻な課題であるが、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により貧困層など社会的に脆弱な子どもたちへのさらなる健康栄養状態の悪化が懸念されている。そうした厳しい成育環境においても子どもが質量ともに適切な食へのアクセスが確保され栄養改善に繋がることが重要であるが、地域特性を考慮した決定要因については検討が限られている。本研究は、子どもの発育段階(乳幼児期・学童期・思春期)それぞれにおける栄養不良に関連する成育環境要因の探索を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度は、乳幼児身体発育調査に参加した幼児(12-59ヶ月)の発育状況に関連する要因の検討を行った研究が専門誌に掲載された。関連がみられた要因は、妊娠前の母親の体格、妊娠中の合併症、妊娠中の父親及び同居者の喫煙、在胎期間別出生体重、出生順位、母乳継続期間、離乳食の開始月齢であった。妊娠前の母親の体格がやせ(BMI18.5未満)の場合、男児は低体重・消耗症である可能性が高く、過体重または肥満(BMI25以上)である場合、男児は過体重である可能性が高かった。妊娠中に貧血であった母親の男児は発育阻害である可能性が高く、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病等の合併症があった母親の女児は消耗症・過体重である可能性が高かった。妊娠中の父親及び同居者の喫煙に関しては、女児は消耗症である可能性が高かった。男女ともに、在胎週数に比して出生体重が小さい児(SGA児)は低体重・発育阻害・消耗症である可能性が高く、在胎週数に比して出生体重が大きい児(LGA児)は発育阻害である可能性が低かった。女児のLGA児は過体重である可能性が高かった。出生順位が3番目以降である男児は発育阻害である可能性が高かった。母乳・離乳食に関しては、女児において、母乳継続期間が生後6ヶ月未満の場合、過体重である可能性が高く、離乳食開始月齢が生後7か月以降である場合、低体重である可能性が高かった。日本では、離乳食の開始時期は生後5~6ヶ月頃が適当とされているが(授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版)、米国小児科学会や世界保健機関(WHO)は生後6ヶ月までは完全母乳、生後6ヶ月からは適切な補完食を始めるとともに、少なくとも1歳(WHOは2歳)までの母乳継続を推奨している。今後母乳継続期間および離乳食の開始月齢に関してさらなるエビデンスの蓄積が求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、幼児の発育状況に関連する要因の検討を行った研究が専門誌に掲載された。さらに乳幼児の発育状況の地域差に関する研究結果を学会にて報告したため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、乳幼児の発育状況の地域差に関する研究および子どもの栄養素摂取量の年次推移に関する研究を深め、さらなる研究成果の公表を目指す。
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