研究課題/領域番号 |
21K13571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 (2023) 立教大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
須田 珠生 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (70868702)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 校歌 / 学校文化 / 校歌の変遷 / 旧制中学校 / 高等女学校 / 小学校 / 唱歌 / 音楽 / 実施状況 / 音楽教育 / 教員配置 / コミュニティソング / 共同体意識 / 郷土教育 / 儀式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期から昭和戦前期までの時期を射程に入れ、「校歌をうたう」という学校文化が、学校、ひいては学校を取り巻く地域社会において、どのような役割を果たし、いかなる価値を生み出したのかを、個々の学校や地域社会の実態に即して解明することを目的としている。歌は、同時に声を発することによって共同性を育むことが可能となる。この性質により、歌は、あらゆる社会において、集団を作り出してきた。本研究では、学校が自主的に作り出した歌である校歌に着目し、学校における音楽教育実践のありようが校歌に与えた影響、および、学校や地域社会といったコミュニティにおける校歌の受容・定着を歴史的な視点から探究する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、主に次の2つの課題に取り組み、研究を進めた。 第一は、前年度の研究を土台として、旧制中学校と高等女学校において、いかなる校歌がうたわれていたのかを全国的に調査・分析した。史料としては、主に、学校記念誌、学校新聞、生徒会雑誌等を用いた。その結果、旧制中学校においては、校歌が応援歌と兼用でうたわれていたケースや、旧制高等学校の寮歌や旧制専門学校の校歌などの既成の旋律を用い、歌詞のみを作り替えて、自校の校歌を制定しているケースがみられることが明らかとなった。 第二には、小学校における戦前から戦後への校歌の変遷を明らかにした。小学校においては、これまでの研究において、多くの学校が戦後、校歌に対して再制定を行ったと指摘されてきた。しかし、各学校内に保存された史料の分析を通して、戦後になってから、①特定の連を除くことで、戦前にうわれた校歌を引き継いだケース(石狩市立厚田小学校校歌、加須市立騎西小学校校歌、等)、②戦前にうたわれた校歌の歌詞の一部を戦後変更し、旋律はそのまま引き継いだケース(西興部村立西興部小学校校歌、等)もあることが確認された。戦前から戦後にかけての校歌の扱いは、学校によって多様であったことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通り、学校記念誌や学校新聞、生徒会雑誌、学校内の保存史資料を収集し、どのような校歌がうたわれていたのか、さらにまた、各学校の校歌がいかなる変遷をたどったのかを整理・分析する作業を進めることができた。したがって、本研究課題は、順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、申請書の研究計画の通り、前年度までに行ってきた学校記念誌や学校新聞、生徒会雑誌、学校内の保存史資料の収集と分析を引き続き行う。くわえて、地方新聞や全国紙の地方版における校歌関連記事の調査・収集にも取り組んでいきたいと考えている。これらの作業を通して、各学校における校歌のあり方の実態をつかみ、学校や学校を取り巻く地域文会のなかで、校歌がどのように受容されたのかを明らかにしていきたい。
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