研究課題/領域番号 |
21K13573
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
上野 智子 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80583939)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 音楽療法的活動 / 音楽療法 / 自立活動 / 音楽教育 / 特別支援教育 / 即興表現 / 音楽科教育 / インクルーシヴ教育 |
研究開始時の研究の概要 |
特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室に通う児童生徒を対象とした特別の指導領域である「自立活動」の内容は,音楽療法との共通性が確認されている。そのため「自立活動」において音楽療法または音楽療法的活動が行われている。しかし,その活動全体を包括する理論研究は未解明である。本研究では,エスノグラフィーの手法を用いて,「自立活動」における音楽療法的活動に通底する観点の妥当性を強固なものとし,ならびに観点が機能するメカニズムを解明した上で,音楽療法的活動を説明するための理論的枠組みの構築を目指す。さらに,実践を通して理論的枠組みの有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は「自立活動」における音楽療法的活動の理論的枠組みの構築を目指すうえで,次の3点を明らかにした。第1に,特別支援学校を対象にした「自立活動」に関する実態調査の分析を行い,音楽づくりや即興表現活動の充実や研修機会の必要性が明らかになった。第2に,現職教員・大学院生・大学教員の協働で実施した特別支援学校小学部での「自立活動」を通して,教員に求められる知識や技能の一端を明らかにした。第3に,中学校特別支援学級の卒業生を対象にインタビュー調査を実施し,「自立活動」での即興表現に対する印象や,教科学習とは異なる音楽活動に対する学習者の認識の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「自立活動」における音楽療法的活動が,心身のリラックスおよび自己表現の場になっており,教科学習とは異なる音楽経験の場として機能していることがインタビュー調査より明らかになった。その一方で,「自立活動」の授業実践において音楽療法的活動を実施するためには,音楽療法理論を基盤とした音楽を用いることの根拠や,実際に音楽活動する際の音や音楽の扱い方や楽器の選択といった暗黙知の共有化・一般化の必要性が明らかになった。これに関わり,即興的な音楽表現や創作活動のための研修機会の充実を指摘した。
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