研究課題/領域番号 |
21K13575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大野内 愛 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60710697)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インクルーシブ / アンサンブル / 音楽教育 / イタリア / インクルーシブ授業 / 中学校音楽科教科書 / 音楽科の資質・能力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国内外の障がい者と健常者によるインクルーシブな音楽アンサンブルの実践例から、指導法と教育効果を明らかにすることにより、健常児への音楽科の資質・能力育成を目指した学校教育におけるインクルーシブ音楽教育のカリキュラムを開発することを目的としたものである。イタリアの音楽科におけるインクルーシブ教育の実態調査、ドイツのボーフム・モデルの実践例、日本におけるインクルーシブオーケストラの実践例の調査により、特別な支援を要する児童生徒と健常児が混在したアンサンブルの指導法、教育方法を明らかにした上でカリキュラム開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
令和4年度は,インクルーシブな音楽教育を実施している団体や学校の実態を把握することを目的とし,研究を進めた。具体的には,①インクルーシブなアンサンブルを実践しているインクルーシブ・オーケストラ「シンフォニー」という団体を視察,調査,②完全なインクルーシブ教育を実践しているイタリアの中学校を視察,調査した。 ①我が国においてインクルーシブな音楽アンサンブルを実践している団体はほとんど存在していない。その中で唯一とも言えるインクルーシブ・オーケストラ「シンフォニー」(愛知県一宮市)を視察し,オーケストラの各楽器のレッスンや合奏の様子はもちろんのこと,練習会場に来る様子や,終わってからの指導者たちとの関わり,本番前の緊張感のある雰囲気などを捉えることができた。特に練習の様子と,指導者へのインタビューをテキスト化し,ユニバーサルデザインの視点,「差異」の認知の視点,参加可能なモディフィケーションについての視点から,指導者と学習者の関わりを分析した。そこから音楽科授業でのインクルーシブなアンサンブルの可能性について考察を行なった。 ②イタリアでは「完全な」インクルーシブ教育が実践されていると言われており,障害の有無に関わらずほとんどの子どもが通常学級に在籍している。その中で,特に多くの障害を持つ学習者が在籍しているミラノのヴィヴァイオ中学校を視察した。ヴィヴァイオ中学校は,音楽コースの形をとっており,通常の科目の授業に加え,生徒が希望した1つの楽器について,個別のレッスンを受けることになっている。また,その楽器を使った多様なアンサンブルを授業の中で行なっている。この中学校において,音楽に関わる授業の視察,及び,生徒と教師へのアンケートを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,早い段階でイタリアの中学校を視察し,生徒への継続的なアンケート調査を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症の影響により,海外渡航が難しい状況が継続され,やっと令和5年3月にイタリアへ渡航することができた。以上により,本研究の進捗状況がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,イタリアの中学校視察時に得られた映像データやアンケート調査について,分析,考察をする。そこから日本のインクルーシブ・オーケストラ「シンフォニー」の活動との共通点・相違点などを探りつつ,日本の音楽科におけるインクルーシブ授業のあり方について継続的に検討する。
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