研究課題/領域番号 |
21K13583
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
三橋 さゆり 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (70758440)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 音の聴取 / 表現 / 音環境 / 教員養成 / 音楽教育 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、教員養成課程に在籍する学生が音や音楽を聴く活動を通して音や音楽に対する認識が変容する過程を解明し、この活動の教育的効果を明らかにする。そのために、学生の省察レポートやメモ、表現の成果物、発話や身振り等の行為や相互行為の記録をグラウンデッド・セオリー・アプローチに基づいて分析し、音や音楽を聴く活動の過程に生じる思考の変容に関する概念や概念同士の関連を理論的枠組みとして示す。そしてこの枠組みに基づいて音や音楽を聴く活動に関する教育的効果を整理し、カリキュラムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、教員養成課程の学生を対象に、音や音楽を聴く活動を実施して、学生の音や音楽に対する認識が変容する過程を解明し、この活動の教育的効果を明らかにすることである。 今年度も引き続き、昨年度までに実施した活動を分析した結果に基づいて教育プログラムを修正し、新たに活動を実施した。具体的には、今年度は対面授業の制約が昨年度よりも緩和されたため、昨年度よりも、学生が双方向で行う活動が実施できるようになり、楽器等の使用に関しても新型コロナウイルス感染症が流行する前と同じような内容が実施可能になった。それに伴い、プログラムの内容や方法にも変更が生じたため、それに基づいて活動を実施した。 加えて今年度は、昨年度から行なっている音素材を造形で表現する活動の分析を引き続き行なった。音素材を造形で表現する活動とは、シェーファー(2009, 63-64)を参考に、学生が音を聴いてそれを絵画で表現する活動である。さらに、この活動では、作成した絵画を学生同士で共有し、それらの絵画表現に対して学生は意見を交換した。分析では、学生が本活動、特に学生同士で絵画を共有し、意見を交換したことで、音を他の媒体で表現することを通して学生の音に対する認識がどのように変容したか、他者の絵画や絵画表現の意図に関する対話から音に対する認識や表現をどのように省察したかを探るために、以上の活動から収集した学生の省察レポートを対象とし、それを切片化して類似する切片同士や共通する特徴をもつ切片同士をグループに分けることで、これらに関するカテゴリーを抽出して関連図を作成した。そして、音の要素と造形の要素の関連や表現の意図の共有から得られる教育的効果に関する仮説の生成を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は感染対策の制約が緩和されたため、昨年度に比べて授業の実施に関しては順調に進捗した。しかし、分析において、データの読み込みやカテゴリーの抽出、関連図の作成に時間を要するとともに、関連図を完成させるためには、引き続きカテゴリーやその関連を検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度の課題として残った音を聴く活動及びそれを他者と共有する活動における関連図の完成を目指す。さらに、音環境のデザインや指導計画の立案に関する活動を学生に実施し、音や音楽を聴く活動の応用について検討していく。
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