研究課題/領域番号 |
21K13584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
岡田 了祐 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80757287)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 評価観 / 教育評価 / 学習評価 / 幼小接続 / 関係 / 個性 / 思考 / 市民性 / 評価 / 社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,幼稚園教員と小学校低学年の教員が有している子どもに対する見方・考え方や評価の規準の共通点と相違点を究明するものである。そのために,接続関係にある幼稚園と小学校低学年の教員へのインタビュー調査,遊びや学びの場面の観察,評価活動に関する資料の収集,といった方法による複合的なデータ収集を行う。その過程で,幼稚園教員の評価に関する語りや考えを小学校低学年の教員に,また,小学校低学年の教員の評価に関する語りや考えを幼稚園の教員に提示し,異なる立場に対話を促すことを行う。そして,双方の評価を補完したり,批判的に発展させたりする視点を検討することにより,評価による幼小接続の可能性を探っていきたい。
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研究実績の概要 |
本研究のねらいは,接続関係にある幼稚園と小学校低学年における評価活動の事実を収集,分析し,子どもに対する見方・考え方や規準を明らかにするとともに,幼小における評価による接続の在り方を究明することにある。本研究は3か年計画であり,2022年度はその2年目である。 上記の目的のもと,2022年度はおもに調査を行う計画であったが,新型コロナウイルスの影響により,調査の計画を修正し,次のようなことを実施した。 第1に,昨年度からの継続で,小学校の教科および幼児教育における評価に関する関連文献や実践事例を整理し,それらの史的展開や傾向を探った。 第2に,インタビューの実施やそのデータ分析の際の理論的枠組みを文献調査によって検討した。具体的には,The educational imaginationなどのエリオット・W・アイスナーの著書から「教育的鑑識眼」と「教育批評」といったアイスナーの評価論を整理,検討した。また,国内外の「教育的鑑識眼」や「教育批評」に関する学校現場の実践事例を収集し,その具現化の可能性を模索した。 第3に,複数の小学校教員に対して教科における評価に関するインタビュー調査を実施した。幼小接続を視野に入れていることから,小学校側については,低学年教育の中核的な位置づけにある生活科を軸に聞き取りをする予定であったが,本年度は対象の枠を広げ,教科を問わずに実施することとした。インタビューに際しては,半構造化インタビューの形式を採り,調査対象者には,授業実践を紹介してもらいながら,それに即して評価活動の実際や評価に関する考え方(評価観)についての聞き取りを行った。その結果,①教科ならではの「思考力」に力点を置いていること,②「人間関係(つながり)」を視点に見取りを行っていること,③「主体性」を見取りたいと考えている一方,その方法は思案中であること,が共通点として浮上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により,本年度に予定していた幼稚園での調査を十分に実施することができなかった。そのため,調査の実施は次年度以降に繰り越すこととした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度であり,大きく次の4点を行う。①これまでの調査の成果を踏まえながら,次年度実施予定の幼稚園の調査および小学校の継続調査を行う。②調査の結果である幼稚園・小学校教員双方のもつ子どもの見方や評価に関する考え方に対して,それぞれ作業仮説を生成し,それらを比較・考察した上で,評価による幼小の接続の可能性を探る。③②の成果を踏まえて,調査協力者に個別もしくは座談会のような形で成果を報告し,それを踏まえて,議論をする。④成果の論文化。
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