研究課題/領域番号 |
21K13617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
二見 妙子 福岡県立大学, 人間社会学部, 助教 (90757395)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イタリアのインクルーシブ教育・保育 / インクルーシブ教育における加配専門員の位置づけ / 当事者運動の歴史 / インクルーシブ教育の授業内容や方法 / イタリア1971年118号法 / イタリアのインクルーシブ教育(保育) / 教育(保育)運動史 / 教育(保育)政策形成 / 教育(保育)実践内容 / 教育(保育)思想 |
研究開始時の研究の概要 |
教育(保育)運動史研究は「教育や保育を創造する主体を社会科学的に明らかにする上で重要」(宍戸1998)であり「政策形成の契機として、またその内実の規制要因として、さらにその中から形成され遺産化される民衆の思想、提案の集大成として、実践に寄与することができる」(一番ケ瀬:1994)という立場から、イタリアのインクルーシブ教育を生み出した1970年前後の教育運動とその思想や実践が提起した問題を検討する。 本研究は、混迷する日本のインクルーシブ教育の課題を照射する力になると考える。
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研究実績の概要 |
令和3年度、科研費補助を受け充実した研究を行うことができた。 4月から5月には、イタリアの教育の歴史及び共同教育運動史について文献講読を行った。6月には、イタリアボローニャのインクルーシブ教育センターAEMOCONの副所長ALICEIMOLA氏にイタリアのインクルーシブ教育が発足する前後の歴史をお伺いする学習会をZOOMを使用し7月から8月に、この研究会の資料を分析した。 また、9月には、イタリアの障害当事者運動ANMICの1960年代後半から1970年代の歴史的な取り組みについて資料収集と翻訳に取り組んだ。 また、10月11月には、ALICEIMOLA氏の著作から、イタリアのインクルーシブ教育における「加配教員」の位置づけの変遷を把握することができた。そして、12月には、ZOOMを使用してAEMOCONのALICE氏らに障害児の保護者を支援するアソーシエーションの活動概要と高校から専門学校、自立へと向かう障害当事者のそだちについてお話を聞いた。歴史的に法制度が整えられ保障されてきたイタリアのインクルーシブ教育は、実践面においても、学外者を含めたチーム支援の仕組みが整備されており教育内容や方法に対する工夫もダイナミックに行われていることが分かった。また、これらの支援は当事者の意見を尊重した形で進められ、就労や地域生活の保障にもその視点は生かされている。比較することによってインクルーシブな視点からは日本の障害児教育や福祉の課題が明らかとなった。 これらを令和4年3月、これらを報告書にまとめた。今後は、さらに1971年前後の教育運動を具体的に調査したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ZOOMを活用したイタリア現地の専門家との交流が大変充実したものとなった。日本では入手しにくい歴史的事実やその資料文献等わかりやすく教えていただき、これらの翻訳など資料収集が思った以上に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
1971年前後の障害当事者や保護者・及び教員の就学を求める運動について詳しい現地の研究者と関係が持てたので、この型を通じてさらに調査を深めたい。また、社会状況が許せば、ボローニャ市のアソーシエーション「AEMOCON」を訪問し、イタリアのインクルーシブ教育推進におけるアソーシエーションの役割について把握したい。
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