研究課題/領域番号 |
21K13618
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
能田 昴 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 講師 (00803917)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 災害救済と教育 / 歴史的連続性 / 「いのち・生活・発達」の困難・リスク / パンデミック・感染症災害 / COVID-19 / 子ども被災の歴史的実態 / 感染症災害 / スペイン風邪 / 濃尾震災 / 子どものいのちと発達 / 明治期 |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災等の地震災害や、毎年のように発生する巨大台風・豪雨災害等によって、甚大な被害が発生している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染症災害として世界中で猛威を振るっており、子どものリスク・ライフハザードが深刻化している。 歴史的な災害においても、特別ニーズのある子ども・社会的弱者らは過酷な状況に追い込まれてきたが、子ども被災の歴史的実態は未解明な点が多い。本研究では歴史のなかで災害に晒される子どものいのちと発達の問題を考えるため、明治期を中心とする災害における救済のあり様について、特に子ども(孤児・障害児者含む)の被災の実態に着目して歴史的検証を行うことを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、「災害と子ども被災・救済の特別教育史」分野の開拓をめざしながら、そのなかで災害・パンデミック等に晒される子どものいのちと発達の問題を考えるため、社会的弱者、特に子どもの被災・救済の実態に着目して歴史的検証を行うこと、また現代においても発生する様々な災禍等の課題との歴史的連続性を明らかにすることを目的としている。 災害・パンデミック発生時における子どもの「いのち・生活・発達」に関わる問題は歴史的連続性を帯びていることが明らかになり、現代的課題との往還も試みるため、感染症災害であるCOVID-19パンデミックで示される問題について検討している。共同研究を通して、北欧諸国における子どものコロナ禍後遺症問題と発達困難・リスクの問題や、スウェーデンにおけるパンデミック下で露呈した知的障害者の「いのち・生活・発達」の困難・リスク等について検討した。 濃尾震災やスペイン風邪等の過去の事例においても、現代においても、子ども・社会的弱者の生命・生存への直接の脅威となる厄災・災禍において、子ども本人が抱えている困難・支援ニーズは深刻である。共通して見えてくるのは、その中でも懸命に生きてきた子どもの「いのち・生活・発達」の姿の一端や、それを支えようとしてきた「教育」の価値・可能性、また「緊急時」に最も影響を受ける子ども・障害当事者の実態・声をふまえて各種の行政施策や発達支援に反映させるべき蓋然性への警鐘である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
書籍刊行により一定の研究成果の公表を行い、学会誌での書評掲載(『教育学研究』『SNEジャーナル』)や自著紹介(『社会事業史研究』)の執筆に繋がった。また、本研究で明らかになる問題は歴史的連続性を帯びており、歴史的研究をもとに現代的課題との往還も試みるものである。上記のように共同研究の成果を通し、またその成果に学びながら、今後の研究の展開を構想中である。
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今後の研究の推進方策 |
自然災害のほか、パンデミックや戦争などをも含む、様々な災禍における子ども被災の歴史的実態を明らかにしていくとともに、災禍における子どもの「いのち・生活・発達」の危機の問題を特別ニーズ教育・特別支援教育において定位すること、さらに教育学研究の原理問題としていくための理論的枠組みの構築が大きな課題となる。本研究で明らかになる問題は歴史的連続性を帯びており、現代的課題との往還も試みるものである。特にパンデミック等において露呈する課題ももとに、歴史研究もその方法論に含む「子ども被災・救済の特別ニーズ教育」について検討していく。
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