研究課題/領域番号 |
21K13629
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
井上 建 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00531732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高照度光療法 / Bright Light Therapy / 概日リズム睡眠覚醒障害 / circadian rhythm sleep / wake disorders / 不登校 / 心身症 / 神経発達症 / インターネットゲーム障害 / ランダム化比較試験 / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目標は、不登校のオーダーメイド介入プログラムを構築することである。そのために以下の3つの方法により研究を計画する。Ⅰ.ランダム化試験:対象者を元気☆生活プログラム(不登校と睡眠障害の小中学生を対象とした短期入院プログラム)の単独群(単独群)と高照度光療法を併用する群(併用群)の2群にランダムに割り付け効果を検証する。Ⅱ.解析と評価:発達障害やゲーム障害、環境因子などの要因を説明変数として定量化し、不登校に対する影響を解析・評価する。Ⅲ.開発と検証:Ⅱの結果から、不登校児の介入方法をオーダーメイドに作成するアルゴリズム(オーダーメイド介入プログラム)を開発し、その効果を検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は主に次の3点を実施した。①「高照度光線療法を併用することによる再燃予防(ランダム化試験)」に参加した対象のフォローアップ ② ①の1か月後までのデータ解析 ③国際学会発表準備 令和4年度までに当初の研究計画通りクライテリアを満たす40名をリクルートし、短期入院療法の単独群(control群)と入院中と退院後2週間にわたって高照度光療法(BLT)を併用する群(BLT群)に割り付けた。ActiGraphと睡眠日誌を用いて、治療前(t0)、治療後(t1)、退院後2週間(t2)、退院後4週間(t3)の4つの測定時点で評価し、線形混合モデルを用いて睡眠機能の経時的変化を分析した。さらに、睡眠に関連する質問紙Insomnia Severity Index(ISI)と睡眠障害のわずらわしさの程度Subjective Units of Distress Scale(SUDS)、子どもの健康度調査(QTA30)について評価した。 中途退院3名、入院中のBLT拒否1名、退院後のBLT未実施1名の計5名がドロップアウトし、残りの35名を対象として評価した。対象35名の社会人口統計学的および臨床的特徴について両群間に統計学的に有意な違いを認めなかった。各測定時点(t0、t1、t2、t3)における入眠時刻の中央値は、BLT群で0:55、22:33、22:41、22:47、BLTなし群で1:34、23:05、0:27、23:30であった。起床時刻の中央値は、BLT群では9:39、6:32、6:51、7:05、BLTなし群では10:01、6:49、9:30、8:55であった。睡眠機能の線形混合モデル分析では、起床時刻に関して時間×群の交互作用効果が認められた(F (3,99) =5,65, p=.001)。ISIとSUDSは、BLT群でより有意な改善を認めた。さらに、QTA30の総合得点と身体症状得点はBLT群でのみ有意に改善した。これらの結果から、BLTは青年期のCRSWDに有効であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Ⅰ.高照度光線療法を併用することによる再燃予防(ランダム化試験) 研究計画通り40名をリクルートし調査を完了した。しかし、コロナ禍による入院患者の制限が響き予定より約6か月遅れての終了となった。 Ⅱ.発達障害やゲーム障害などを説明変数として定量化し 、不登校に対する影響を評価Ⅰで収集したデータを次年度に解析予定。 Ⅲ.治療プログラムの開発と検証 高照度光療法の効果は、Ⅰによって示すことができたため、短期入院療法に高照度光療法を併用した治療プログラムを導入済み。次年度はⅡの結果を踏まえて、治療プログラムを改変予定である。
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今後の研究の推進方策 |
Ⅰの結果をPAS2024(pediatric academic society meeting 2024)で発表予定。さらに同様の内容を論文化する。またⅠで収集したデータを使用し、発達障害やゲーム障害などを説明変数として、不登校に対する影響の統計解析を次年度に実施予定。それを踏まえて、治療プログラムを改変する予定である。
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