研究課題/領域番号 |
21K13632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
福井 美保 大阪医科薬科大学, 小児高次脳機能研究所, 非常勤講師 (70782241)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 低出生体重児 / 早産児 / 書字困難 / 書字障害 |
研究開始時の研究の概要 |
低出生体重(LBW)児は、限局性学習障害(LD)の頻度が高いことが知られ、就学後早期の把握と支援が必要である。これまでの研究から、書字障害に関与する認知機能は、LBW児で一般より低下しており、LBW児は書字障害のハイリスク群といえる。 そこで本研究では、 ① LBW児における書字障害の頻度・特徴・病態解析をおこない、認知的特性(病態)に基づいた学習支援方法を提案する。 ② LBW児の書字障害の特徴をもとに、教育現場で使用できる書字困難スクリーニングチェックリストを作成し、学校での合理的配慮の提案、実践につなげる基盤を築く。
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研究実績の概要 |
2023年度は、既存のデータの整理と年度末にかけて5,6年生を対象として書字能力に関する評価を行った。 ・極低出生体重児である小学1年生(WISC-ⅣのFSIQ 80以上)39名と大阪医科薬科大学LDセンターを学習の困難さを主訴に受診した正期産児である小学1年生(WISC-ⅣのFSIQ 80 以上)45名の書字能力を読み困難の有無で群わけを行い比較検討した。その結果、読み困難を認める極低出生体重児は、読み困難を認める対象群と比較して1年生の段階でひらがなの書字能力が有意に高いことが分かった。このことは、正期産児と極低出生体重児では、読み困難となる機序が異なる可能性が示唆された。 ・小学校1年生の時に読み書きの評価をおこなった極低出生体重児に対し案内を送り、8名の小学5,6年生の協力を得た。この8名に対して、ひらがな、カタカナ、漢字の読み書き、語彙評価、運筆操作を評価した。ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きについてはー2SD以下となる児童はいなかった。しかし、漢字については困難さを訴える児を認めていた。困難感の原因がどこにあるのか、漢字書字の評価方法が適切かどうかについて、今後検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響もあり、早産児の子ども達に対しての評価が行えていない状況があった。そのため2023年度は、他の研究で検査を行っていたデータを用いて、書字に関する評価項目の検討を行った。これまでのデータは、低学年の物であったため、日本語特有の文字である漢字に関する評価が行えていないことを確認した。書字能力の検討において、漢字の検討は重要であり、年度末には5年生、6年生について数名の書字に関する評価を行い、現状を確認した。検討の結果、前述のように、現在評価に用いている書字課題では困難さの程度の評価が困難である可能性があることが分かった。そのため、検査課題の再検討を行い、2024年に高学年を対象として対象人数を増やして評価を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度末に小学校5,6年生の児童を対象に評価をおこなった。この結果から、書字能力の評価を行うために必要な検査項目の再検討を行うことが可能となった、また、新しく評価を行う対象者についてのリスト化は進んでおり、高学年は夏休み以降、低学年は冬休み以降にデータの収集を行う準備が整っている。また、検査協力者の選定も進んでいる。今年度は積極的にデータの収集を行い、実態を明らかにしていく予定である。
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