研究課題/領域番号 |
21K13659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
木村 優里 明治学院大学, 心理学部, 助教 (80611970)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アマチュア科学者 / 科学実践 / 科学愛好家 / 科学教育 / サイエンスコミュニケーション / 市民科学 / シチズンサインエス / 趣味 / 市民の科学実践 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大人になってからも科学に対する興味関心を持つことができるしくみや支援方法の検討という課題に対し、「科学実践に関わる市民」という側面からアプローチを試みる研究である。科学への興味を一度失ってしまった児童・生徒や成人が、もう一度科学に興味を持ったり、科学に参画したりすることを支援するために、「成人が科学実践に参加できる誘因」と「市民が科学実践に参入し、その継続を可能とする支援方法」を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、大人になってからも科学に対する興味関心を持つことができるしくみや支援方法の検討という課題に対し、「科学実践に関わる市民」という側面からアプローチを試みる研究である。科学への興味を一度失ってしまった児童・生徒や成人が、もう一度科学に興味を持ったり、科学に参画したりすることを支援するために、「成人が科学実践に参加できる誘因」と「市民が科学実践に参入し、その継続を可能とする支援方法」を解明することを目指している。 2022年度は、成人が科学実践に参入できるための知見を得るために、「科学実践に関わる市民」の科学実践への参入契機を明らかにし、どのような誘因があるのかを分析した。具体的には、既存の質問紙調査データもとに、昆虫及び天文分野におけるアマチュア科学者の科学実践への参入時期とそのきっかけに関する分析を行った。その結果、参入時期については、小学生以前が約47%、中学生~高校生が18%、大学生以降が約34%であった。このうち、大学生以降に科学実践に参入した人々の、趣味を始めたきっかけを分析したところ、幼少期からの興味関心/家族(子ども、配偶者など)の影響/科学実践をしている他者との出会い/興味深く感動する自然現象との出会い、といった参入契機が示された。これらのきっかけのうち、大学生以降に生じた出来事が起点となっているものについては、成人が科学実践に参入できるための契機となり得るとみなすことができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、成人が科学実践に参入できるための知見を得るために、彼ら「科学実践に関わる市民」の科学実践への参入契機を明らかにし、どのような誘因があるのかを、年齢などの参入段階別に分析する予定であった.具体的には、既存の質問紙調査のデータ分析と、新しく調査を実施しその結果を含めて分析することを想定していたが、当該年度の進捗は、既存データの分析までとなった.また、昨年度の研究成果の公刊が未了であることも踏まえ、本研究は当初の予定よりもやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、以下の研究を進める予定である。 まず、「科学実践に関わる市民を捉えることができる新しい理論枠組み」と「科学実践に関わる市民の科学実践への参入契機」について、これまで明らかになったところまでをとりまとめ、研究成果として公刊、報告することを目指す。 加えて、「科学実践に関わる市民」の科学実践への参入契機について、引き続き大規模調査の実現に向けて準備を行い、その調査によって、どのような誘因があるのかを、より詳細に明らかにすることを目指す。この大規模調査は、対象が限られることから、予定よりも準備に時間を要しているが、成人が科学実践に参入できるための知見として、その誘因の分析は、重要な要素であると考えるため、場合によっては方法の再検討もしつつ、達成できるように関連団体等に協力を仰ぎ、実現したいと考えている。また、研究目的達成のために、必要に応じては、個別のインタビュー調査なども実施する可能性がある。 一方で、この後に予定していた、科学愛好家の科学実践継続を可能にする要因に関する探索的研究については、研究計画の優先度と順序を入れ替え、参入契機を明らかにすることに重点を置いて進めていくこととする。
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