研究課題/領域番号 |
21K13665
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐井 旭 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (30868039)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インドネシア / ごみ収集人 / サニテーション / サニテーションワーカー / 産業衛生 / スティグマ / 精神的健康 / 社会的健康 / ダーティー・ワーク / サニテーション・ワーカー / 廃棄物処理 / 都市スラム / メンタルヘルス / COVID-19 / ダーティワーク / 自尊心 / エッセンシャルワーカー / ダーティーワーク |
研究開始時の研究の概要 |
東南アジアの開発途上国では、乏しいサニテーションインフラにより危険かつ非衛生的な廃棄物処理の問題を抱えている。 ごみ収集人は未選別ごみとの接触を要するため、新型コロナウィルス感染を恐れる個人や社会からの人格・外観・職業蔑視に晒されることによる、自尊心低下の問題も深刻である。 本研究は、インドネシアの都市スラムにおけるごみ収集人を対象に、参与観察、インタビューおよび質問票調査を用いて、新型コロナウィルス蔓延による、衛生観念・行動、職業意識や自尊心形成への影響を解明する。
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研究実績の概要 |
最終年度である2023年度は、現地(インドネシア西ジャワ州バンドン)に渡航し、カウンターパートであるインドネシア国立研究革新庁(BRIN)の協力を得て、コロナ下における都市スラムのサニテーションワーカー(ごみ収集人)の職業観ならびに精神的・社会的健康に関する、現地語を用いた聞き取り調査結果の主題分析を完了した。分析を通じて、経済的困窮や感染症罹患への恐怖、ごみ収集(=「ダーティーワーク」)を行うワーカーに対するコミュニティからの侮蔑などパンデミック下による影響に加え、職業内容に関するスティグマへの対処方法(リフレーミングなど)や、一家の「大黒柱」としての責任、宗教的職業観などのテーマが抽出された。 さらに、11月に現地にて開催されたThe 7th International Symposium on Green Technology for Value Chainsにて口頭発表を行い、ごみ収集人が置かれた労働環境ならびにその精神的・社会的健康へのインパクトについて、研究者ほか行政機関など様々なステークホルダーと情報を共有した。 また、BRINならびに現地ステークホルダーと、プロジェクト終了後の協働に向けて議論を行い、今後の活動計画についての継続的協力の確約を得た。
上述の活動に加え、最終成果報告としての英文学術誌における論文刊行に向けた執筆を開始した。本内容については、次年度に開催される国際シンポジウム(Sustainability Research & Innovation Congress 2024)にて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終成果報告としての英文学術誌における論文刊行は次年度に持ち越すこととなったものの、令和5年度はCOVID-19の影響を受けた渡航調査を完了し、海外、特に調査地で開催された国際シンポジウムにて成果発表を行ったので、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終成果報告としての英文学術誌における論文刊行を進めるほか、国内外での成果報告を積極的に行い、本研究をベースとした、今後の国際共同研究の基盤を構築する。
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