研究課題/領域番号 |
21K13676
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大貫 真友子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 講師(任期付) (60771912)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 集団間接触 / 拡張接触 / 紛争 / 障害者差別 / カンボジア / 偏見 |
研究開始時の研究の概要 |
社会心理学では、様々な種類の集団間接触が偏見や差別を低減することを示している。 本研究は、開発途上の紛争影響国カンボジアを対象に、障害者に対する偏見と差別のしくみについて、障害者と健常者との接触がもたらす影響に着目して分析する。親の障害者(特に地雷被爆による切断者)との接触経験が、世代を超えてどのように子供に伝達されるかを含め、間接的に生じる接触がもたらす差別低減効果について解明する。
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研究実績の概要 |
当該年度における主な研究実施内容は、カンボジア統計局が実施した家計調査(socio-economic survey 2021)のデータ分析、サーベイ調査の項目作成、および文献検索である。 Socio-economic survey 2021を対象とした分析では、主に「切断者への不信感」と「紛争関与者への不信感」を従属変数に、切断者との接触(ならび、障がい者とのContact)の効果を、世帯主(n=10079)、配偶者(n=7999)、子(n=5412)を対象に分析した。先行研究をもとに、切断の有無、切断者との接触の有無(家族・親戚に切断者がいるか)、暴力的紛争被害の有無、リスク選好、利他性、社会的支配志向性、一般的信頼、内集団バイアス、紛争加害者への不信感、信心深さ、他個人属性(年齢、性別、教育レベルなど)を段階的に重回帰モデルに投入した。切断者との接触があるものは、接触がないものと比べて、切断者への不信頼が低く、一方で、紛争関与者への不信感はより高いという結果が得られた。また、暴力的紛争被害を報告したものは、両者への不信感が高い結果も一貫していた。ProvinceレベルやVillageレベルでの切断者の人口比推定値および地雷啓発介入の有無などをモデルに入れたマルチレベルモデル分析を実行中。 サーベイ調査の項目作成においては、一般障がい者にまつわる追加項目を作成した。 文献検索においては、主に偏見と差別にまつわる理論の整理し、偏見の世代間伝達に関する実証研究をレビューした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響を受けて現地調査が延期された。一方で、共同研究者の力を借りて、渡航しない形でデータを入手し、分析の対象としている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きカンボジアsocio-economic survey 2021のデータ分析および文献検索を進める。例えば、家族だけではなく、友人関係を介した多種の接触の効果を検討中。また、他の障がい者への態度や、障がい者との接触がどのように切断者への態度に影響を及ぼすかについても追加の分析を検討している。2021年のデータのみで有意義な結果が得られれば、論文執筆に移る。 また、カンボジアsocio-economic survey 2023のデータ収集が終了し次第、分析を行う。その後、結果を踏まえて、追跡調査の設計を行う。
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