研究課題/領域番号 |
21K13678
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
木村 年晶 京都橘大学, 総合心理学部, 助教C (40780359)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 時間的制約、焦り、感情、学生、高齢者 / 時間的制約 / 焦り / 感情 / 大学生 / 高齢者 / 情報処理 / 運転行動 / 脳活動 / 近赤外分光法(NIRS) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 高齢者の前頭葉機能低下に着目し, 「焦り」状態における情報処理過程を解明し, 実際の運転行動にどのような影響を及ぼすのかを実証実験で明らかにする。前頭葉の機能低下に関しては,生理学的手法を用いて測定を行い, 前頭葉の脳活動と実走場面での危険運転時の行動生起パターンとを比較することで, より精緻に高齢ドライバーの危険運転のメカニズムを明らかにする。一連の研究を通し, 将来的に, 高齢者の危険運転を防止するためのより効果的な介入方法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度と同様に、本研究の対象者は高齢者を含む集団であり、コロナウィルスの影響により実験室での活動を展開することができなかった。そのため、本年度は文献研究を基にした焦りに関する研究の執筆に注力した。実験が行えなかったことから、既存の研究成果を深く掘り下げ、焦りという感情が人間の行動や心理にどのような影響を及ぼすかについての理解を深めることを目指した。具体的には、焦りという感情が安全に対するコストをかけることを困難にし、よりリスクテイクを選択するメカニズムへの知見を得ることができた。これは、感情と行動の関連性についての理解を一層深める重要な発見である。さらに、大学生を対象とした感情に伴う回避と接近行動に関する調査を実施した。この調査を通じて、感情が人間の行動にどのように影響を及ぼすか、特に回避と接近という二つの基本的な行動パターンにどのように関与するかについての新たなデータを収集した。特に大学生を対象に、これらの行動パターンがどのように感情によって調節され、変動するのかを予備的に調査した。その結果、感情が回避行動と接近行動にどのように影響を及ぼし、それらがどのように関与するかについて新たな知見を得ることができた。昨年に続き、研究の進行と成果の発表、さらにはそれを論文化するための準備も行った。オンラインだけでなく実際の対面においても研究者同士の交流を積極的に進めることで、知識の共有化とともに本研究は一段と深まり、その成果を社会に発信する体制も整えつつある。引き続き、高齢者を対象とした実験が可能になる状況を見極めながら、焦りという感情に関する実証的な研究を進めるとともに、得られた知見を活用した実践的な応用を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1. 文献研究の進展:コロナウィルスの影響により実験を行うことができなかったため、文献研究を通じて焦りに関する理論的な理解を深めることに注力した。特に、焦りという感情が人間の行動や心理にどのように影響を与えるかについての既存の研究を精査し、これらの知見を体系的にまとめた。この過程で、焦りが安全に対するコストをかけることを困難にし、リスクテイク行動を促進するメカニズムについて重要な洞察を得ることができた。 2. 大学生を対象とした調査の実施:実験の代替として、大学生を対象に感情に伴う回避と接近行動に関する調査を実施した。この調査では、感情が行動パターンに与える影響について新たなデータを収集した。具体的には、回避行動と接近行動が感情によってどのように変動するかを予備的に調査し、感情と行動の関連性についての新たな知見を得ることができた。 3. 研究成果のまとめと発表準備:得られた知見をもとに、研究成果をまとめ、論文化に向けた準備を進めている。オンラインおよび対面での研究者同士の交流を通じて、研究の質を高めるためのフィードバックを得ている。これにより、研究成果を社会に発信するための基盤が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
得られた知見をもとに、研究成果をまとめ、論文化に向けた準備を進めている。また、オンラインおよび対面での研究者同士の交流を通じて、研究の質を高めるためのフィードバックを得ている。これにより、研究成果を社会に発信するための基盤が整いつつある。 コロナウィルスの影響が緩和されているため、高齢者を対象とした実験を再開する予定である。これにより、焦りに関する理論的知見を実証的に検証し、より実践的な応用を目指す。また、既存の文献研究と調査結果を統合し、焦りという感情が人間の行動に与える影響についての総合的な理解を深めることを目指す。
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