研究課題/領域番号 |
21K13690
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
武藤 世良 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (30785895)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 尊敬 / 感情 / 日本 / アメリカ / 中国 / Web調査 / 教育的機能 |
研究開始時の研究の概要 |
尊敬や憧れの感情は、人に優れた役割モデルを与え、自己向上を動機づけるため、人の成長・発達に大きな役割を果たす教育的機能を秘めている。しかし、尊敬に関わる感情の概念や機能性に関して、日本と他国を比較する実証的研究は希薄である。研究代表者はこれまで、敬愛や畏怖など、尊敬に関わる感情を尊敬関連感情と呼んで研究し、これら一群の感情の文化間の類似性と差異性を検討するための理論的基盤を整えてきた。本研究では、現代日本における尊敬関連感情の教育的機能の特徴と独自性を、主に北米との比較を通して探究することを目的とする。
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研究実績の概要 |
尊敬や憧れの感情(尊敬関連感情)は、人に優れた役割モデルを与え、自己向上を動機づけるため、人の成長・発達に大きな役割を果たす教育的機能を秘めている。本研究では、現代日本における尊敬関連感情の教育的機能の特徴と独自性を、主に北米との比較を通して探究することを目的とする。検討課題は(1)尊敬関連感情の概念・経験の日米比較、(2)尊敬関連感情の教育的機能の日米比較、(3)尊敬関連感情の社会化の日米比較の3つである。本年度は引き続き研究1として、日本の尊敬関連感情とアメリカの類似感情の概念や経験にどのような対応関係があるのかを明らかにすることを目的とした国際比較調査(Web調査)の国内データ収集を進めようとしたが、研究代表者の本務や家庭の事情等で進めることができなかった。しかしながら、北米の共同研究者がアメリカと中国でデータを収集し、分析した結果から、課題1に関する知見が得られた。具体的には、尊敬(英語ではrespect;中国語では尊重と尊敬の2語)に関わる特徴18項目に関して、それぞれがどの程度、尊敬する人との関係の中心にあるのかをアメリカの大学生206名と中国の大学生185名を対象としたWeb調査で尋ねた結果、米中の共通点として、尊敬の中心にある程度は正直さが最も高く、続いて傾聴、受容が高かった。また、米中の相違点として、アメリカでは中国よりも対象人物の見方に対する心の広さ(openness)や対象人物への配慮が尊敬の中心にある一方で、中国ではアメリカよりも服従や、価値の共有や相互理解(mutuality)、贈り物をすること、道徳的な行動が尊敬の中心にあることが明らかとなった。これらの結果は、尊敬(respect)の概念が文化や親密な関係性に埋め込まれており、尊敬の文脈が重要であることを示唆している。今後、日本でもデータを収集し、米中の結果と比較検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の問題はほぼ解消されたが、研究代表者の本務や他業務、家庭・育児の事情等で本研究課題に十分な時間を割けない状況が続いているため。また、国際比較調査で使用しているWeb調査画面ツールのアカウントの契約更新に関わる事情で、データの収集や分析が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度に研究1の国内データ収集を継続し、データ収集が完了次第、分析を進め、米中のデータと比較検討する予定である。分析が完了次第、学会発表や論文化の準備を進めることとする。また、研究2・3に関しても、状況に応じて柔軟に計画を変更することとする。
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