研究課題/領域番号 |
21K13697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 国士舘大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
川本 哲也 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (40794897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーソナリティ / 縦断調査 / 家族 / 青年期 / パーソナリティ特性 / 発達 / 被影響性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では初年度(2021年度)において,被影響性と呼ばれる環境からの影響の受けやすさの個人差についての,信頼性と妥当性を備えた測定方法を開発することを試みる。続いて,ここで開発された新たな測定方法を用い,家族単位でのパーソナリティ特性に関する縦断調査を実施する。この縦断調査は2021年度末から1年おきに計3回の測定を行う予定で,家族という集団の中で個々のパーソナリティ特性がどのような要因によって,どのように関連しながら共変化するのかを,量的な分析手法を用いて検討する予定である。
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研究実績の概要 |
2023年度は,本研究が実施している縦断調査の2時点目調査の実施年度であった。2時点目調査に先立ち,研究課題と関連する学会発表を行った。まず,児童期・青年期の情動知能の発達の個人差に寄与する遺伝と環境に関する知見をPersonality Seriesにおいて発表した。この知見は,特に情動知能の変化に関し,環境要因がその主たる説明要因であるが,遺伝要因も一部寄与していることを明らかにしたものであった。 2点目は,パーソナリティの生涯発達に関する知見であり,パーソナリティ検査の6時点データを解析したものを,The International Society for the Study of Individual Differences (ISSID) 2023において発表した。この知見は日本人成人において,調和性が成人期に高くなる傾向がるのに対し,開放性が下がる傾向があることを示したものであった。 3点目は,学力と情動知能の縦断的な関連性に関するものであり,3時点の学力・情動知能データに関し,交差遅延モデルを適用した分析をしたものを,日本社会心理学会第64回大会において発表した。この知見は,情動知能が後の時点の数学の学力を正に予測することを明らかにしたものであった。 4点目は児童期・青年期の子どもの政治的関心の個人差に関し,双生児核家族デザインによりそれを検討をしたもので,日本パーソナリティ心理学会第32回大会において発表をした。この知見は,政治的関心の個人差に対し,遺伝要因と環境要因の寄与のほか,同類交配の影響も明らかにした。 以上の結果については,現在,論文として投稿するために原稿を準備しているところであり,2024年度中の投稿・採択を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題が進行している家族単位での縦断調査は,2023年度に2時点目調査が予定されていたが,予定通り,2時点目の調査を実施することができた。このほか,調査の結果の概要を分析することもでき,縦断調査の進行に関しては問題無く進められている。 研究成果の発表に関しては,年度末に2時点目の調査データが得られたため,2024年度中に縦断分析の観点からより詳細な分析を行う準備ができている。 以上のことから,本研究課題は順調に進展しているということができる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は2024年度が最終年度となっているが,研究課題開始当初に獲得できた金額に応じ,調査計画を2年間隔の3時点調査と変更したため,1年間の延長を行い,2025年度に最終時点の調査を行う予定である。2024年度は,2時点目と3時点目の間の年度にあたり,調査の実施予定はない。そのため,2024年度は,これまでに得られたデータをもとに,研究成果のアウトプットを精力的に進めていく予定である。
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