研究課題/領域番号 |
21K13698
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
小川 翔大 中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (90805409)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自尊感情 / 縦断調査 / 友人関係 / 情緒的サポート / 自尊感情の変動性 / パネル調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,自尊感情の変動性尺度を用いて,思春期から青年期(中学生,高校生,大学生の3コホート)を対象にした3年間のパネル調査を実施し,自尊感情の変動性と友人関係の発達的変化およびそれらの因果関係を検討するものである。そして,思春期・青年期における安定した自尊感情の発達プロセスを解明し,学校教育を受ける生徒や学生の適応に関する基礎理解や教育的示唆を得ていくための研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、3年間(計4回)のパネル調査を実施して、思春期・青年期における自尊感情の変動性と友人関係の発達的変化、および、それらの因果関係の実証的解明を目的としている。 2022年度は、調査許可が得られた同一市内の中学校3校で、中学生に短期縦断調査(第1回目と第2回目の計2回、4か月間隔)を実施した。調査協力者数は第1回目が1,026名、第2回目が1,034名であった。この短期縦断調査では、自尊感情の高さと変動性で双方向の因果関係が確認できた。具体的には、自尊感情が低いほど自尊感情が揺れ動きやすくなり、また、自尊感情が揺れ動きやすいほど自尊感情が低くなった。さらに、自尊感情と友人関係の関連を検討したところ、親しい友人に情緒的サポートを期待するほど自尊感情が揺れ動きやすくなること、親しい友人との葛藤・口論が多いほど自尊感情が高くなることが示された。この短期縦断調査では親子関係の影響も併せて検討したが、自尊感情に与える親子関係の影響はみられなかった。したがって、中学生の自尊感情の発達には、親よりも友人との関わりの影響が大きい可能性が示唆された。これらの研究成果は、日本心理学会第86回大会(2023年9月)で発表する予定である。 その他の進捗として、大学生140名への短期縦断調査(第1回目)が完了しており、第2回目の調査を2023年5月に予定している。また、長期縦断調査(計3回、1年間間隔)のサンプルを拡充するため、インターネットリサーチ会社を介して全国の中学生2,000名を対象にしたweb調査(第1回目)を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時は、中学生、高校生、大学生を調査対象としていた。現時点までに、中学生と大学生には調査実施ができた。しかし、高校で調査協力を得ることが難航しており、高校生への調査が見送られている。
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今後の研究の推進方策 |
中学生と大学生のデータをもとに、それぞれの学校段階やサンプルの特徴を踏まえて、自尊感情の変動性と友人関係の発達的変化を検討していく。まずは、短期縦断調査の結果について、発表および論文化を進めていく。 研究遂行上の課題として、長期縦断調査では途中脱落者の発生によって分析に必要なサンプル数が確保できない可能性もある。その場合は、追加調査でサンプルを拡充していく。
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