研究課題/領域番号 |
21K13701
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
山根 嵩史 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90808726)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | メタ認知 / 学習過程 / 認知モデリング / 学習 |
研究開始時の研究の概要 |
効果的な学習が行われるためには,自らの認知活動を意識的に制御するメタ認知が適切に機能する必要がある。従来の研究の多くは,学習プロセスの特定の段階 (学習開始時,学習中, テスト時 など) のメタ認知活動に焦点が当てられており,一連の学習のなかで連続的に行われるメタ認知活動の相互関係を包括的に捉え,評価する必要がある。こうした複雑な事象の解析には,認知モデリングと呼ばれる手法が有効である。本研究は,学習全体を通じたメタ認知活動の相互関係および変化について,認知モデ リングによる検討を行い,効果的な学習に向けた提言を行うことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
大学生約30名を対象に実験を実施した(現在も継続中。目標数50~60名)。実験の概要は以下の通りであった。 ドイツ語とその日本語訳のペア40項目を刺激として用いた。実験は,①学習前フェーズ,②学習フェーズ,③再学習フェーズ,④テストフェーズの4つのフェーズから構成された。学習前フェーズでは,メタ認知的モニタリングの指標として,各項目の「覚えやすさ」の程度の評定(学習容易性判断)が行われた。学習フェーズでは,各項目の記銘と,テストでの回答可能性の評定(既学習判断),および再学習の判断が行われた。再学習フェーズでは,学習フェーズにおける再学習の判断に基づいて項目が呈示され,同様に各項目の記銘と既学習判断が行われた。テストフェーズでは,ドイツ語単語のみが呈示され,適切な日本語訳を選択する4択問題が呈示された。加えて,回答を行うごとに,回答の確信度の評定が行われた。実験終了時に,参加者の基本的属性(年齢,性別等)やドイツ語の学習経験,および各フェーズにおける判断の基準等についても聴取した。 現実の学習場面を模した実験の実施を通じて,学習全体を通じたメタ認知的活動の相互関係と最終的な成績への影響仮定を明らかにするという本研究の目的と照らして,妥当な計画で実験を遂行することができた。今後の展開として,本実験から得られたメタ認知的活動の指標(各フェーズにおけるメタ認知的モニタリングの評定値および反応時間等のコントロールの指標)と記憶成績の対応関係を検討するとともに,本実験の結果に基づき,学習初期から学習成立までを想定した,より応用的な実験の計画を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度内に予定していた実験の実施が令和4年度まで持ち越しとなったが,概ね順調に進められている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度前半に実験1を終了し,結果の集計と成果発表を行う。実験の各フェーズにおけるメタ認知的モニタリングの指標(学習容易性判断,既学習判断,確信度判断)およびコントロールの指標(反応時間,再学習の判断 等)の相互関係に基づき,最終的な記憶成績がどのように規定されるのか,認知モデリングの手法を用いて検討する。加えて,年内に実験2を実施し,実験1の結果と併せて成果発表を行う。
|