研究課題/領域番号 |
21K13710
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
島津 直実 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (30549225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 反応スタイル / 抑うつ / マインドフルネス / メタ受容 / 認知行動理論 |
研究開始時の研究の概要 |
BeckやTeasdaleの認知理論とNolen-Hoeksemaの反応スタイル理論は抑うつが発生し持続する一連のプロセスを部分的に表現していると考えられ,抑うつを総合的かつ実証的に捉えるための統合モデルの構築の試みがなされている。しかし,抑うつの低減,再発予防に効果が認められてきているマインドフルネスの技法効果を反応スタイルに関する統合モデルとして検討した研究はまだ国内外においてみられない。そこで,本研究では,大学生を対象に2週間のマインドフルネスの技法を実施し,その効果を反応スタイル,メタ受容,抑うつとの関係で検討する。
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研究実績の概要 |
反応スタイル理論では,抑うつ気分時の考え込み反応は抑うつの持続・重症化に,気そらし反応は抑うつの短期化・回復に繋がると説明する。精神的健康が阻害されるのは,抑うつが持続し重い抑うつ状態に陥る時である事が知られており,抑うつへの介入・予防には抑うつの持続と回復をもたらす要因の研究が求められる。 抑うつの発生および重症化の予防に関して注目されているマインドフルネスでは,「ものごとを評価せず,受け入れ,あるがままにしておく」という物事の関わり方にモードをシフトさせるというパラダイムを用いる。マインドフルネスは抑うつの低減に効果があるとされているものの,抑うつの持続・低減と関係があるとされる反応スタイルと併せて研究されたものはまだない。 そこで本研究では,技法実施前の反応スタイルの各下位因子が,2週間後の抑うつの程度に与える影響について検討した。 2週間のマインドフルネスプログラムの前後のデータから,技法実施前の時点で否定的考え込み反応を多くするほど,2週間後のマインドフルネスの「受容・自動的に反応しないこと」の要素が弱くなり,反対に問題解決的考え込み反応と気分転換的気そらし反応を多くするほど強くなることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響に伴い,研究を進める上で必要となる文献の入手が遅延した。その遅れが今年度の進捗状況にも影響を与えたため。
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今後の研究の推進方策 |
マインドフルネス呼吸法が反応スタイルおよび抑うつに与える影響について,技法実施前の反応スタイルの各下位因子が,2週間後の抑うつの程度(SDS)にどの程度の影響を与えているのかについて,重回帰分析を用いて検討する。また,マインドフルネス呼吸法が反応スタイルの各下位因子および将来の抑うつに及ぼす間接的影響について,技法実施前の反応スタイル尺度の各下位因子,メタ受容,およびそれらの交互作用が,2週間後の抑うつの程度にどの程度の影響を与えているのかについて階層的重回帰分析を用いて検討する。
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