研究課題/領域番号 |
21K13714
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
武部 匡也 立正大学, 心理学部, 助教 (90823097)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 摂食障害予防 / 痩身プレッシャー / 食行動異常の二過程モデル / 摂食障害 / 思春期 / 青年期 / 予防プログラム / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,思春期女子に対する摂食障害予防プログラムを開発することを目的とする。本研究の目的を達成するために,発達段階で一貫した予防モデルを構築して,思春期・青年期におけるリスク要因の共通性と個別性を解明する (研究Ⅰ)。そして,思春期女子の発症リスクに合わせた予防プログラムを開発する (研究Ⅱ)。本研究の目的が達成されることで,各発達段階に最適化されたプログラムの開発だけでなく,進学など不可避のイベントでも情報共有や連携がスムーズになる支援体制の構築といった,実践への貢献が期待できる。
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究成果として,「日本の女子大学生における食行動異常の二過程モデルの検討」(認知療法研究, 16, 61-68) が挙げられる。この研究は,女子大学生における食行動異常の発現に関わる要因を検討したもので,思春期女子に対する摂食障害予防プログラムの開発を目的とする本研究の重要な参考情報をもたらす研究に位置づけられる。具体的には,今回の研究成果で女子大学生の食行動異常は痩身プレッシャーからの影響が強いことが明らかにされた。その他でも,自己像不満や過度なダイエットが食行動異常の発現に寄与する可能性が示唆された。この結果は,欧米で実施された先行研究とほぼ同様のモデルが採択されたが,一方で日本の女子大学生では痩身プレッシャーが食行動異常により影響力の高い要因であることを明らかにしており,日本のサンプル特有の結果と解釈できる点もある。 本研究では,女子大学生に加えて女子中学生と女子高校生を対象に加えて,各発達段階でモデルを構築し,同様のモデルが構築可能か,そしてモデルの中に含まれる要因の中で最も食行動異常の発現に影響力があるものは何かを明らかにする計画となっている。今年度の研究成果から,思春期女子の年代においても同様に痩身プレッシャーが重要な要因である可能性がある。上記の成果を先行研究として,本研究においても女子大学生の食行動異常の二過程モデルと思春期女子 (中・高) のモデルを比較していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に先行し,本研究の土台となる研究成果が遅れながらも学術雑誌で発表されることとなった。これで分析方法が確定し,先行研究に沿った分析で一貫性を担保しながら研究を実施することができる。その点で進展はあったものの,発表が大幅に遅れたため,現在までにデータの分析を終えることができず,当初の予定である研究Ⅰの完遂には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
土台となる研究が発表されたため,データの分析を随時進めていく方針である。その後は,論文の執筆を進めていき,来年度中には研究Ⅰの成果を学会もしくは学術誌で発表できるように進める。 研究を遂行する上での課題としては,研究Ⅱの介入研究を実施するフィールドの確保である。いくつかの学校と連絡は取っているものの,新型コロナウィルス感染症の影響がまだ残っている状況で,週1回外部の人間が学校に出入りして生徒とある程度の長い時間を過ごすことに抵抗のある学校や慎重な姿勢を見せる学校がある。現在,連絡を取っている学校の他にも,いくつか新しいフィールドを開拓する予定である。
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