研究課題/領域番号 |
21K13716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 人間環境大学 (2022-2023) 同志社大学 (2021) |
研究代表者 |
田村 紋女 人間環境大学, 心理学部, 講師 (30826863)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | サイコパシー / Dark Triad / 尺度開発 / 対人関係 / 反社会的なパーソナリティ / 攻撃性 |
研究開始時の研究の概要 |
Dark Triadは,マキャベリアニズム,サイコパシー,自己愛傾向によって構成される反社会的なパーソナリティであり,いじめや犯罪行為など様々な反社会的行動を予測する。そのため,Dark Triadの攻撃メカニズムを解明することは,社会問題として重要な要件である。 先行研究では,各パーソナリティが特有の攻撃傾向を有することが明らかにされてきたが,メカニズムは不明確なままである。また,多くの研究では攻撃性をひとつの側面のみから捉えているため,多様な攻撃メカニズムを想定できていない。本研究では,Dark Triadの攻撃性について,認知,情動,状況の側面から多面的に検討する。
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研究実績の概要 |
Dark Triadと攻撃性の関連を検討するために,Dark Triadをより正確に測定することができる指標は非常に重要である。なかでも,サイコパシーは複数の次元から構成されるパーソナリティであるため,従来使用していた尺度より包括的にサイコパシーを測定することができる尺度を開発できれば,今後のDark Triadの研究にとって非常に有用であると考えられる。研究計画段階では,攻撃性を多面的に測定する尺度を開発することを検討していたが,攻撃性は実験課題や現実場面に即した反社会的行動で測定することとしたため,攻撃性の尺度に代わって,サイコパシーを測定する尺度の翻訳を実施した。現在,翻訳はおおむね完了し,信頼性と妥当性を検討している段階である。この結果は,2023年度に学会発表を行っており,追加の分析をした結果についても,2024年度に学会発表を予定している。 また,Dark Triadが高い人の攻撃性のメカニズムを探るために,予備調査として,Dark Triadが高い人の現実場面での反社会的行動との関連を検討した。反社会的行動の指標としては,嘘をつく傾向やSNSでの荒らし行動との関連を検討した。そして,そのような行動が,Dark Triadが高い人の対人関係にも困難を及ぼしているのか検証した。これらの結果は,現在,分析中である。また,Dark Triadが高い人は実際に交友関係が希薄で,その結果,自身の適応も損ねることにつながっているのか検証した。この研究結果も,現在,分析段階にあり,概ね分析は完了している。この結果は,2024年度に学会発表を予定しており,論文化を目指して原稿を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍が十分に収束したといえない状況が続き,対面での実験や調査が難しかったこと,研究者の所属が変更となり所属機関での研究に限界があったことが重なり,複数の研究を予定通り進行することができなかった。 しかし,開発する尺度の内容に変更を行ったが,Web調査を実施するなどして研究1に該当する調査をおおむね完了している。また,研究2~研究4につながる予備調査も実施し,本調査の準備も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1については,開発する尺度の内容に変更を行ったが,Web調査を実施するなどしておおむね分析を完了している。引き続き論文化を目指して分析と執筆の準備を行う。 また,研究2~研究4につながる予備調査も実施し,本調査の準備も進めている。予備調査の結果も,論文化を目指して,分析と執筆の準備を進めている。 所属先はまた変更となったが,調査や対面での実験を行う環境は整っている。やや遅れはあり,研究計画の変更も余儀なくなった部分はあるものの,これ以降の研究の準備は問題なく進めることが可能である。
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