研究課題/領域番号 |
21K13723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
木内 敬太 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, 特定有期雇用職員 (10791949)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 心理的ディタッチメント / 情緒的反芻 / 問題解決の思索 / 仕事関連反芻尺度 / 尺度開発 / 尺度翻訳 / COSMIN / 妥当性 / 仕事関連の反芻 / 実行機能 / 認知機能検査 / Nバック課題 / フランカー課題 / セットシフティング課題 / 職業性ストレス / 認知機能課題 / メンタルヘルス / 労働者 |
研究開始時の研究の概要 |
メンタルヘルス不調が悪化する過程には、仕事時間外に仕事との距離(心理的ディタッチメント)が取れないことや反芻(仕事のことを考えてしまうこと)が関わっている。しかし、人が必要と思っても休めず、仕事のことを考えてしまうことの機序については十分わかっていない。本研究では、この過程への実行機能(状況を概観し、不要な反応を抑え、効果的に意識を切り替える脳の機能)の関与を検証する。本研究では、認知機能課題を用いて実行機能を客観的に評価し、かつ、2時点の測定を行うことで、実行機能と仕事との距離及び反芻との双方向の影響関係がメンタルヘルス不調を悪化させる過程を解明する。
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研究実績の概要 |
メンタルヘルス不調が悪化する過程には、仕事時間外に仕事との距離(心理的ディタッチメント)が取れないことや反芻(仕事のことを考えてしまうこと)が関わっている。しかし、人が必要と思っても休めず、仕事のことを考えてしまうことの機序については十分わかっていない。本研究では、この過程への実行機能(状況を概観し、不要な反応を抑え、効果的に意識を切り替える脳の機能)の関与を検証する。本年度は、日本語に翻訳した仕事関連反芻尺度について、COSMINのガイドラインに基づき、信頼性と妥当性を検証した。認的因子分析の結果(n=309)、15項目中2項目で2因子への因子負荷が認められたが、大方原版と同様の3因子構造(情緒的反芻(AR)、ディタッチメント(DTM)、問題解決の思索(PSP))において、事前に設定したモデル適合度の基準を満たした(CFI=0.963, RMSEA=0.051, SRMR=0.058)。事前の予測通り、ARとDTMの負の相関、反芻尺度(高野・丹野, 2008)の正の相関、PSPと内省尺度(高野・丹野, 2008)の正の相関、DTMとリカバリー経験尺度の心理的ディタッチメント(Shimazu et al, 2012)の正の相関が認められた。また、ARと疲弊尺度(熊谷ら, 2021)の正の相関、Well-being尺度の負の相関、DTMと疲弊尺度の負の相関、Well-being尺度の正の相関が認められた。アンカー項目で変化なしと答えた対象者のみのデータを使って、再検査の信頼性(ICC)を求めたところ、ARは0.86(n=121)、PSPは0.79(n=127)、DTMは0.73(n=117) であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた通りに研究計画を遂行しているが、進捗は予定よりも1年ほど遅れている。理由としては、公私にわたる状況が変化する中で、予定していた通りの作業時間が確保できなくなったことや、調査や解析のために想定よりも多くの時間がかかったことが挙げられる。そういった中で、COVID-19のパンデミックの影響を強く受けた1年目の遅れを取り戻すことができなかった。さらに、時代の変化や技術の発展が目覚ましく、COVID-19のパンデミック前の想定を超えて、オンライン測定へのコンピュータ・エージェントの活用や、チャットAIの応用可能性が高まっている。そのため、認知機能課題のオンライン実施に当たって事前に検討すべき内容が予想外に増え、実験用システムの開発に時間がかかっていることも遅れの原因である。ただし、遅れてはいるものの、研究自体は進展しており、徐々に成果が出てきている。
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今後の研究の推進方策 |
当初2年目、3年目に想定していた予備実験と本実験を進める。大方実験システムはできているので、2023年度初頭の倫理審査に間に合わせ、年度内の完遂を目指す。計画段階では本調査は2波のウェブ調査を予定していた。しかし、因果関係の解明には3波以上の測定が必要なことから、予算の範囲内で対象者数を調整し、測定の回数を増やす方針である。幸い、COVID-19のパンデミックにより学会のオンライン開催が増え、多少、旅費から実験費用に予算を調整することが可能である。
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