研究課題/領域番号 |
21K13726
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
權 眞煥 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90772020)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非言語コミュニケーション / 自閉スペクトラム症 / ASD / 身体同調 / 位相差検出アルゴリズム / 自閉症スペクトラム障害 / インタラクション |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは相互的な社会関係とコミュニケーション能力における質的障害を表す。このASD者は世界的に増加傾向にあり、新たな社会現象となっている。しかし、まだASD者に対するバイオマーカー(診断と評価のための指標)は開発されていない。一方、人間コミュニケーション科学分野で身体同調現象はコミュニケーションの質的評価に対する重要な尺度として注目を集めている。そこで、本研究ではコミュニケーションにおけるASD者の身体同調特性を解明し、自閉症スペクトラム障害に対する客観的なバイオマーカーを開発することを目的とする。この成果はASDの早期診断と支援、療育に活用することができる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はコミュニケーションにおける自閉スペクトラム症(ASD)者の身体同調特性を解明し,ASDに対する客観的なバイオマーカーを開発することである.一方向言語コミュニケーションにおけるASD者の聴者としての役割に着目し,身体同調特性の検証を行った.その結果,ASD者は定型発達(TD)者より同調の活動度と強度が有意に低いことが明らかになった.つまり,ASD者はTD者に比べ,同調の発現頻度や収束性が低く,時間変動が大きいことを示す.本研究によりASD者の同調特性は量的側面(発現頻度)と質的側面(時間変動と収束性)の両方から相違点が現れることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により身体同調はASD者の社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の特徴を定量化できるツールであり,特に位相差検出・分析アルゴリズムはその定量化に有効であることが検証された.ASDの診断に用いられる検査や尺度は,保護者の記憶と主観に影響を受けるものが多く,客観性を有するバイオマーカー(診断と評価のための指標)がないのが現状である.その中,本研究の成果はASDの診断支援システムの開発のための基礎データとして位置づけられ,身体同調データは客観性を有するバイオマーカーである可能性が示唆された.
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