研究課題/領域番号 |
21K13734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
石田 航 帝京大学, 文学部, 助教 (60745157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん患者の自殺 / サイコオンコロジー / がん患者 / 自殺 / リスク因子と保護因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、がん患者の自殺行動に影響する心理社会的なリスク要因と保護要因を検討することを目的とする。 調査1では日本医療機能評価機構の全国病院データベースと国立がん研究センター中央・東病院の診療録より自殺のリスク要因を検討する。自殺したがん患者が表明し記録されていた不安や、医療従事者や家族との関係など心理社会的側面について内容分析を行う。 調査2では調査1の結果から自殺のリスク要因を満たすが自殺に至らなかった患者を国立がん研究センター中央病院診療録より抽出し、面接調査を実施する。どのような要因が自殺に対し保護的に機能したのか、当事者に振り返っていただき、がん罹患から現在までのプロセスを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、がん患者の自殺行動に影響する心理社会的なリスク要因と保護要因を検討することを目的とした。 目的を達成するため、調査1として、本邦のがん患者の自殺に関する論文の変遷を、医学中央雑誌データベースWeb版の36年間の学術発表タイトルをテキストマイニングによって分析をおこなった。2007年以前は遺伝子治療など生理学的側面からの学術発表が多い一方で、2008年以降は、心理学的側面からの支援を重要とする論文が増加し、がん患者の自殺に影響する要因を検討するにあたっては、医学的側面のみならず、心理社会的要因も重要であることが示唆された。調査2として、先行研究より頭頚部がんが自殺のリスクとなることから、日本医療機能評価機構の全国病院データベースより頭頸部がん患者の自殺のリスク要因を検討した。日本医療機能評価機構のデータベースでは、2010年から2019年の間に生じた医療事故情報を対象とした。医療事故情報の検索キーワードは、「がん 自殺」などとし、事例を同定した。事例からの抽出項目は、患者の性別・患者の年齢・診断名・自殺の報告年・自殺の発生場所・自殺の発生時間・自殺の発生曜日・既遂あるいは未遂・死因・自殺に関連するモノ・第一発見者とした。加えて、医療者によって報告された自殺の状況から、センチネルイベント(警鐘事例)と医療者の事前対応を抽出し、内容分析を行った。調査3として、頭頸部がん患者463名を対象に質問紙調査を実施し、希死念慮に影響を与える要因について検討を行った。がんの部位や再発・転移の経験、治療法、全身症状、アピアランスの変化などの医学的側面や、婚姻状況や子どもの有無、介護の要する家族の有無、仕事の状況などの心理社会的側面の検討を行った。 がん患者の自殺行動に影響する心理社会的なリスク要因が示唆されたため、保護要因の検討もすすめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスのまん延により、複数人でのディスカッションの機会を得ることが困難となり、質的研究の分析に時間を要したが、分析は終了した。引き続き予定している研究を実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
現在、調査1-3が終了しており、2023年度は調査4に取り組んでいく。現在、倫理審査が終了した段階であるため、対象者のリクルートを進めるていく予定である。
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