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デジタルデバイスによる機能性めまいの難治化の要因解明と心理データベースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K13736
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10030:臨床心理学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

橋本 和明  東邦大学, 医学部, 講師 (70792620)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード機能性めまい / 経験サンプリング / MUS / 心身医学 / PPPD / 自律訓練法 / オンライン診療 / 心身症 / EMA / デジタルデバイス
研究開始時の研究の概要

本研究では機能性めまいに対しEcological Momentary Assessment(EMA)の手法を用いてめまい症状に関連する心理的病態や難治化の要因について明らかにする。他の機能性疾患との違いを横断的検討で明らかにし、EMAにより機能性めまいの日常生活下における症状と心理的状態を精密に評価し、データベースの作成によりメカニズムを解明する。さらに、めまい病状と心理状態を縦断的に追跡し、症状の難治化に関連する要因を明らかにする。本研究の完成は、機能性めまいの治療糸口を見出し、めまい症状が難治化する前に介入に繋げていくための基盤となる。

研究実績の概要

Persistent postural-perceptual dizziness (PPPD)を含めた機能性めまいでは、病状に心理社会的な要因が影響すると考えられている。こうした背景を踏まえ当該年度においては、リクルートした症例の臨床的な経過や転帰を追跡し、自律訓練法などの心身医学療法が功を奏する可能性を報告した。また、デジタルデバイスを活用した感情とめまい症状の関連性についての知見を還元していくため、関連する学術大会において公表した。調査実績としては、前年度までにリクルートしていた11名に加えて、19名の症例を新たにリクルートし、合計30名に拡充した。データ数は前年度の323から890まで大きく増加した。予備解析ではNegative感情が高いことは機能的なめまい症状の高さと関連し、Positive感情が高いことは機能的なめまい症状の低さと関連があり、気分症状に対する心身医学的な介入が機能性めまいに有用である可能性を報告した。PPPDは様々なめまい疾患に心理社会的な影響が重複して固定化していく仮説が提唱されており、PPPDに該当する機能性めまいと該当しない機能性めまいのそれぞれの特徴について比較する段階までデータを整理した。また、デジタルデバイスによる経験サンプリングを用いた研究手法は、IoTの実装された社会に向けた前駆的な意義もあることから、関連学会において展望についての発表を行った。現在、最終解析および最終産物の論文を執筆し、学術ジャーナルへの投稿の準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

各学会での知見をふまえ、経験サンプリング法を用いた調査に対するブラッシュアップは順調に進んだ。経験した症例の縦断的な経過や、これまでの研究進捗についての知見について、関連する学術大会や研究会においてシンポジウム等で発表し、成果を挙げることができた。一方、臨床症例のリクルートは想定通りデジタルデバイスに対する先入観的な拒否感や、操作方法への抵抗感、日常生活の瞬時的データを提出する困難感、特にコロナ禍による影響を受け、参加者が当初の予定よりも少なく推移したことからリクルート期間を延長した。それに伴い、データの最終的な解析の遅延が生じ、全体的な研究の進行は予定よりも遅れて進行した。

今後の研究の推進方策

前年度の成果を踏まえて、機能性めまいにおける日常生活下の情動と病状の関連について、デジタルデバイスを用いた経験サンプリング法による調査を引き続き実施する。リクルート数に課題があり、当該年度までリクルート期間を延長したが、次年度では収集したデータの最終解析を行い、機能性めまいと情動の関連性を明らかにする。関連学会での最新知見を収集・統合しながら、最終産物として作成した論文は学術ジャーナルへの掲載に向けて取り組む。具体的には、階層線形モデルを用いた検討によって、Negative感情とPositive感情が機能性めまいの症例における日常の症状に対してどのように影響を及ぼすのか解析する。PPPDとそれ以外の機能性めまいの差異についても検討し、疾患としての特徴についても検討する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] デジタル社会を見据えた自律訓練法とバイオフィードバックの併用治療2024

    • 著者名/発表者名
      橋本和明 , 端詰勝敬
    • 雑誌名

      自律訓練研究

      巻: 43 ページ: 7-11

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Psychosomatic symptoms related to exacerbation of fatigue in patients with medically unexplained symptoms2022

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Kazuaki、Takeuchi Takeaki、Murasaki Maya、Hiiragi Miki、Koyama Akiko、Nakamura Yuzo、Hashizume Masahiro
    • 雑誌名

      Journal of General and Family Medicine

      巻: 24 号: 1 ページ: 24-29

    • DOI

      10.1002/jgf2.582

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Persistent Postural-Perceptual Dizzinessにおけるストレス対処行動の考察2022

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 嶋美香, 端詰勝敬
    • 雑誌名

      交流分析研究

      巻: 47 ページ: 14-16

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 気分症状に対する自律訓練法による介入が奏功した機能性めまいの一例2023

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第14回日本耳鼻咽喉科心身医学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] デジタル化に伴うアジリティの向上が労働者のメンタルヘルスにもたらす展望2023

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第30回日本産業精神保健学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 機能性めまいの心身医学的な病態とデジタル技術の活用2023

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第64回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Persistent Postural-Perceptual Dizzinessにおけ る日常生活下での病状と感情の関連2022

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 竹内武昭, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第13回日本耳鼻咽喉科心身医学研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 自律訓練法とバイオフィードバックの併用治療の実際とIoT時代に向けた展望2022

    • 著者名/発表者名
      橋本和明
    • 学会等名
      日本自律訓練学会第45回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 機能性めまいの病態形成における不安の関連性2022

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第14回日本不安症学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 日常生活下における機能性めまいの 自覚症状と感情の関連(中間報告)―3症例の経過から―2022

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 竹内武昭, 村﨑舞耶, 須賀俊介, 柊未聖, 小山明子, 嶋美香, 中村祐三, 都田淳, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第132回日本心身医学会関東地方会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 機能性めまいの臨床症状の転帰と自我状態の相関性2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 竹内武昭, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第28回日本行動医学会学術総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Persistent Postural-Perceptual Dizziness の心理的要因および中枢性感作の探索的検討2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第80回日本めまい平衡医学会総会学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Medically unexplained symptomsにおける疲労とめまい症状の関連2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第12回日本耳鼻咽喉科心身医学研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Persistent Postural Perceptual Dizziness に対する心身医学療法と抗うつ薬併用による治療経験2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 竹内武昭, 小山明子, 中村祐三, 都田淳, 端詰勝敬
    • 学会等名
      第62回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 機能性めまいのエゴグラムと重症度における比較2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 柊未聖, 端詰勝敬
    • 学会等名
      日本交流分析学会第46回学術大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ストレス対処行動からみた persistent postural-perceptual dizziness の考察2021

    • 著者名/発表者名
      橋本和明, 嶋美香, 端詰勝敬
    • 学会等名
      日本交流分析学会第46回学術大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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