研究課題/領域番号 |
21K13741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
駒沢 あさみ 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 研究員 (40791926)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 強み / ストレングス / 認知行動療法 / うつ病 / レジリエンス / ストレングス・アプローチ / ポジティブ心理学 / うつ / 再発予防 / アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病は有病率や再発率の高さ、治療反応率の低さが課題である。病理モデルによる治療アプローチのみでは限界が指摘されるようになり、患者の強みという心理社会的資源をアセスメントし、それを活用する重要性が注目されている。本研究では、強みに特化し、再発予防を主眼とした心理療法であるStrengths-based CBT(SB-CBT; Padesky & Mooney, 2012)に注目し、その安全性と有効性を検討する。また、SB-CBTで重視される強みのアセスメントに資するコーディング・システムを構築し、治療アウトカムを予測するかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、① 強みに焦点をあてた認知行動療法(SB-CBT)の効果を検討すること、および② 強みのアセスメントに用いるコーディング・システムを構築し、③ 強みのコーディングが治療アウトカムを予測するか検討することを目的としている。 ① に関しては、これまでに作成した1回50-60分程度、計5回からなる日本版のSB-CBT(SCAPEプログラム)を用いた臨床試験を前年度に引き続き実施している(jRCTにて研究計画公開済。jRCT1030220513)。本試験は、前後比較デザインにて、うつ病の通常治療を受けた患者12名に対する強みに焦点をあてた認知行動療法の実施可能性ならびに強みの認識・活用への効果の予備的に検証することを目的としている。強みに焦点をあてた認知行動療法の実施は、個人セッションの形式をとり、対面またはオンラインにて実施する。また、セッション間で患者はセッションの内容に応じたアクションプランに取り組む。なお、試験は、国立精神・神経医療研究センター研究倫理委員会の承認を得て実施している(承認番号:A2022-038)。本年度中の実績としては、本試験への参加についてリクルートを行い、3名の症例登録を行っており、うち2名の研究期間を終えている。② に関しては、コーディング・システム開発のために、① と並行して強みに焦点をあてた認知行動療法の治療セッションの音声データの収集および文字起こしを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、昨年度より臨床試験を開始し、今年度も引き続きリクルートを行い、治療者やコーディネーター、データマネージャー、モニタリング担当者など臨床試験実施に必要なマンパワーを確保し、強みに焦点をあてた認知行動療法の臨床試験の症例登録および介入を実施することができた。登録した症例については重篤な有害事象やプロトコル逸脱なく実施できている。一方で、リクルート状況が芳しくなく、予定症例数を確保するための対策が必要な状態にある。また、研究1の進捗が遅れていることから研究2以降に必要なデータ収集にも遅れが生じている状況である。当初計画においては本年度が最終年度であり、臨床試験が終了している予定であったのに対し、未だ登録症例数が3例であり、目標症例数に達していないことから、進捗は「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画ではすでに臨床試験を終え,本研究は終了する予定であったが,予定症例数を確保するため,研究期間を1年延長することとした。次年度も本年度に引き続き臨床試験を進めデータ収集を行う研究への紹介数を増加させ、予定症例数を確保するために、介入実施施設内での周知・協力依頼を行うとともにホームページでの広報など積極的に行い,研究参加への紹介数,登録例数の増加を図る。また、SB-CBT実施可能な治療担当者を増員し、円滑に登録および介入実施を進めるために治療者トレーニングにも力を入れる。引き続き効果的な広報策を検討するとともに,研究助成期間終了後も試験が継続できる体制を整えることにより,試験の完遂を目指す。
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