研究課題/領域番号 |
21K13742
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2022) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2021) |
研究代表者 |
宮前 光宏 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (20745872)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 認知行動療法 / 診断横断的 / 神経基盤 / 脳画像 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病や不安症はよくみられる精神疾患であり、高い割合で併発する。うつ病・不安症を, 感情調整の不全という共通する特徴を持つ疾患群(感情障害)として捉え, 包括的に治療しようとする介入方法として, 統一プロトコル(Unified Protocol: UP)という心理療法が開発されている。UPは, 国内外の研究でその有効性が示されているが, なぜ有効なのかというメカニズムに関しては未解明な点が多く存在する。特に, 神経科学的な基盤に関してはまだほとんど分かっていないため, 本研究では, UPの実施前後で脳構造・機能画像を取得し, UPによって脳の構造的・機能的変化が生じるのかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、国内外でその有効性が実証されている認知行動療法のひとつである、うつ病・不安症・強迫症・心的外傷後ストレス障害などの感情障害に対する統一 プロトコル(UP;精神療法の中でも認知行動療法に分類される介入方法)の有効性を裏付ける神経基盤の解明を目指している。具体的には、UP実施前後の感情障 害患者の脳画像データを取得し、脳の構造的・機能的変化、特に安静時脳機能結合の変容に焦点を当てて検証する。 研究対象者は、20歳以上の成人で、不安障害・うつ病性障害患者であり、研究参加時点で統合失調症、物質使用障害など、UP実施の障害となる問題を有する者は除外する。取得する脳画像データは、T1強調画像、T2強調画像、安静時脳機能画像等を取得する。取得する心理データは、GRIDハミルトンうつ病評価尺度(GRID- HAMD)、診断横断的な疾患維持メカニズムの指標として不安感受性尺度(ASI)、感情調整スキル尺度(ERSQ)等である。症例数は、既存研究で取得したデータと合わ せて、患者群100名、健常統制群50名を目標とする。 昨年度は3年計画の2年目であり、データ取得を進め、最終的な解析に向けた解析パイプラインを整える計画であった。昨年度は、合計21回の感情障害患者の脳画像データおよび心理検査データの取得をおこなった。加えて、先行研究を概観し、適用する解析パイプラインの構築に着手した(現在、構築中)。今年度は、データ蓄積を進めながら、解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の進捗としてはおおむね順調であったが、一昨年度の遅れ(申請者の異動に伴う研究環境の再整備、新型コロナウィルス感染拡大によるリクルートの遅れ)を改善するには至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
継続してデータ集積を行いつつ、研究協力者に助言を仰ぎながら、解析パイプラインを構築し、公表に向けた作業を進める。
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