研究課題/領域番号 |
21K13751
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 司 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (70845594)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 予測 / 課題非関連情報 / 事象関連脳電位 / 脳波 / ボトムアップ処理 / トップダウン処理 / 二重課題 / DMC theory |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,長期的予測の認知処理メカニズムを解明することを目的としている.これから生じるイベントを予測し,行動を選択することは環境へ適応するために重要である.予測の直後にイベントが生じる状況では,そのイベントの予測は容易であり予測精度は維持される.しかし,これから起きるイベントを予測しても,予測から実際にイベントが生じるまでに時間的な遅延があると予測精度が低下する.このような長期的予測を行う場面では,周辺情報を利用することで予測精度が維持される.本研究では,周辺情報を利用した長期的予測が行われる際の認知処理メカニズムについて,経時的な時系列データであり,これを分析可能な脳波を指標とし解明する.
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研究実績の概要 |
本研究は,長期的予測の認知処理メカニズムを解明することを目的としている.予測から実際にイベントが生じるまでに時間的な遅延がある場面では,周辺情報を利用することで予測精度が維持される.本研究では,周辺情報を利用した長期的予測が行われる際の認知処理メカニズムについて,経時的な時系列データであり,これを分析可能な脳波を指標とし解明する. 昨年度までに,長期的予測時の周辺情報が複数のタスクを並行して実施する状況でも利用され,より多くの認知資源を消費する状況でも長期的予測が維持される予測機能の柔軟性が明らかとなった(Kimura & Kawashima, 2023).今年度は,これまでの実験を改良し,長期的予測時の周辺情報が複数の刺激のまとまりである文脈として処理されているのか,各周辺情報ごとに処理されているのかを検討し,周辺情報の処理に対するトップダウン・ボトムアップ処理を検証した.実験の結果,各周辺情報へ効率的に認知資源を割り当てるトップダウン処理が見られたことに加え,周辺情報の一部が逸脱した際には逸脱情報へ認知資源を割り当てるボトムアップ処理も見られた.この結果より,周辺情報は,周辺情報の変化に対応するボトムアップ処理と,周辺情報への認知資源の配分を合理化するトップダウン処理の二重のプロセスによって処理されている可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果が論文として採択され,また,計画通り実験が実施されたため,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
長期的予測に対する周辺情報のトップダウン・ボトムアップ処理について論文投稿及び学会発表を行う.また,本科研費の研究成果をまとめ,周辺情報による長期的予測の維持を支える生体システムについて検討する.
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