研究課題/領域番号 |
21K13760
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
林 小百合 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (40885753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動症 / 表情 / 視線 / 顔表情 / 社会的報酬 / 自閉症スペクトラム症 / 共同注視 / 顔認知 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)は、人生早期から認められる対人相互性の障害に特徴付けられ、その最早期指標は共同注視の障害であることが指摘されてきた。一方で、共同注視を苦手とするASD者においても、他者視線に対する自動的な視空間注意のシフトが生じることが分かってきた。本研究は、他者の顔表情などの要因が注意機能を高める可能性や、併存するADHD症状といった臨床的な特徴との関係を、心理学的手法によって検討する。
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研究実績の概要 |
発達障害児者における社会認知機能の障害とその神経基盤について、神経心理学的手法を用いた検討を進めている。 今年度も引き続き、社会認知機能を計測する心理実験課題、知能検査、問題行動やネガティブ気分、社交不安の程度などの臨床症状の評価項目を含む検査セットを用いて、定型発達、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症の成人・小児のデータ収集を進めた。今年度は特に小児例の収集に注力した。これまでに約375名のデータを収集できている。 具体的な研究内容としては、視線手がかり課題時の行動成績に表情が与える効果について、小児・成人期の神経発達症者を対象とした検証に参画した。視線手掛かり課題時のマイクロサッケードとADHD特性の関連についての調査にも参画し、視線手掛かりが生じる空間的注意に対する表情によるバイアスが、ADHD特性の高さによってどのような影響を受けうるか、生理学的な指標から検討を進めた。肯定的な他者からのフィードバックが認知機能に与える影響についての調査も進め、ADHDやASD児者に見られる実行機能の不得手さが、他者からの肯定的なフィードバック(笑顔呈示)によって一時的に改善しうるかについて、検討を進めた。特に、今年度は神経発達症の診断による違いや、抑うつ・不安といった周辺症状との関連、定型小児での効果を中心に検討を進めた。 より詳細な検討に向け、感染症の拡大などに十分な配慮をしつつ、引き続きデータ収集に努める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目標数に近い数のデータを集めることができているが、発達障害児者の臨床症状の多様性やコントロール群とのマッチングの難しさから、詳細な検討に向けて、データ計測を継続する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ収集を実施するとともに、解析を進める。
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