研究課題/領域番号 |
21K13767
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 大島商船高等専門学校 (2022) 千葉大学 (2021) |
研究代表者 |
磯部 遼太郎 大島商船高等専門学校, 一般科目, 助教 (50897882)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 可換環 / Strict closure / Arf環 / 優秀環 / weakly Arf環 / 可換環論 / Cohen-Macaulay環 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,weakly Arf環論の深化・発展を通して,Cohen-Macaulay環解析に新たな展望をもたらすことにある。Cohen-Macaulay環は,可換環論のみならず,代数幾何学・不変式論・組合せ論・表現論など様々な分野に出現する環構造であリ,これらの分野における最重要の研究対象の1つである。中でも,整閉なCohen-Macaulay環は際立って良い構造を持つが,その数は非常に少なく,圧倒的多数は非整閉環である。本研究では,整閉環論と並行した環構造論をweakly Arf環上で展開することで,非整閉Cohen-Macaulay環の内部構造解析を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は,一般次元における環のstrict closureの有限生成性に関する成果を挙げた。 前年度までの研究により,環の次元が1の場合には,strict closureの有限生成性は基礎環の完備化の冪零根基が2乗で消えることで特徴付けられることが判明していた。一般次元の場合には,strict closureが有限生成であるときは基礎環の冪零根基が2乗で消えることがわかっていたが,本年度の研究でその逆が部分的に成り立つことが判明した。この結果より,特に基礎環が優秀環であるときには,基礎環の冪零根基の条件でstrict closureの有限生成性を特徴付けることができる。これは,よく知られている整閉包の有限生成性の特徴付けと並行する主張となっており,一般次元においてもstrict closureが整閉包に準ずる良い構造をもった拡大環であることを示している。今後の研究では,超曲面環や正標数の環といったより具体的な環構造について,有限生成であるstrict closureを計算し,その構造を調べる予定である。また,基礎環が1次元Cohen-Macaulay局所環でstrict closureが有限生成である場合,神代真也氏との共同研究によりstrict closure上の正の階数を持つreflexive加群は全て決定することができている。一般次元の場合についても同様の構造がないか考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,当初予定していた国内外の出張・研究打ち合わせは大きく数を減らすこととなったが,オンラインでの打ち合わせを頻繁に行い,その結果順調な成果を挙げることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,以下の課題①,②に取り組む。 ①超曲面環や正標数の環といったより具体的な環構造について,有限生成であるstrict closureを計算し,その環構造や加群の構造をこれまでの研究を元に決定する。 ②研究結果を精査し,整閉包の理論と並行したstrict closureの理論を完成させる。
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